概要
Google Cloud公式ブログにて発表がありました。2026年10月のAIインフラに関する新機能やアップデートが公開されています。オーケストレーションに関する新機能も含まれます。
自律型エージェントの運用を安全に支えるためです。効率的に支えるため計算基盤やGKEが高速化されました。オープンソースの新しい推論スタックなども多数公開されています。
何が発表された?
今回の発表では、AIワークロードを支える多岐にわたるプロダクトのアップデートが行われました。主な発表内容は以下の通りです。
- 新しいコンピュートサービス「Agent Compute Engine」の提供
- AI HypercomputerにおけるNVIDIA Vera RubinベースのA5Xインスタンスなどの更新
- GKE向けのCPU起動ブースト機能(プレビュー)およびWiz Runtime Sensorアドオン(プレビュー)の追加
- 移行・近代化ツールを統合した「Google Cloud Modernize」の発表
- Cloud Runでの「Temporal Serverless Workers」のプレビュー
- 分散LLM推論を統合するオープンソース「llm-d 1.0」の公開
- メタ社と共同開発のPyTorch向け「TorchTPU」のオープンソース化
- Google Distributed Cloud(GDC)エアギャップ版へのNVIDIA HGX B300システムの対応
エージェントを支える新コンピュートとGKEの高速化
新しく「Agent Compute Engine」が登場しました。これは自律型AIエージェントの安全なスケーリングを目的とした専用のコンピュートサービスです。
サブ秒での迅速な起動を実現しています。メモリ共有による高いワークロード密度も実現しました。
また、GKE向けには「CPU startup boost」がプレビューとして登場しました。これはコンテナを再起動させません。
初期化時のCPUリソースを一時的に引き上げます。これでコールドスタートの遅延を最大2倍に加速させるものです。
分散推論を効率化するオープンソース「llm-d」
新製品の「llm-d 1.0」が公開されました。これはKubernetesネイティブのオープンソースのサービングスタックです。
Googleとパートナーによって共同開発されました。Google CloudのTPUやGPUが混在する環境で分散LLM推論を統合します。
キャッシュを認識したルーティングを行います。コンテキストの再利用を促す仕組みも搭載されました。
初回トークン出力までの遅延を削減します。マルチテナント環境の効率的なスケーリングが可能です。
実例で見る導入メリット
AI開発を手がけるAI21社はAI Hypercomputerを導入しました。これにより高優先度ジョブの待機時間を72時間から12時間に短縮したと報告しています。
また、インドのAIスタートアップであるZenteiQ社も事例を公開しました。GKEとllm-dを活用して物理AI推論の効率を高め、スループットを4倍以上に拡大させています。
これまでの流れ
料金は?
本発表に含まれる各機能の料金は各種サービスに準拠します。Google Cloudの既存のGKEやCloud Runの料金プランを確認してください。AI Hypercomputerなどの各サービスの利用料金および従量課金に準拠します。
詳細な価格体系が気になるところです。Google Cloudの公式料金ページをご確認ください。
日本で使える?
日本国内のGoogle Cloud環境において対象のGKE機能を利用できます。各種クラウドサービスを利用しているユーザーであれば順次利用可能です。
プレビュー機能や新機能の提供状況に注意してください。リージョン対応状況については各公式ドキュメントをご確認ください。
自分にはどう関係する?
エンジニアなら
GKEの起動高速化を活用できます。新オープンソースの「llm-d」を活用することも可能です。AIモデルの推論処理やインフラコストの効率化を直接進められます。
企画・マーケティングなら
社内で進行するAIプロジェクトのインフラ基盤を確認できます。基盤がどのように高速化・安定化するかを把握しましょう。システムのパフォーマンス向上を見据えた企画立案に生かせます。
経営者・管理者なら
クラウド上で運用するAIエージェントの動きを確認できます。大規模モデルのコストパフォーマンスが改善されます。インフラ運用の効率化やセキュリティ強化につながります。
まとめ
Google Cloudの10月アップデートには多くの機能があります。AIインフラの効率化とエージェント運用のスケーリングに特化した実用的な機能が多数揃っています。
まずはGKEの新しいプレビュー機能を確認してみましょう。オープンソースの動向を確認することも大切です。自社のシステムで活用できるかを検討してみましょう。