概要
デジタル庁が推進する「Public Medical Hub(PMH)」は、マイナンバーカードを活用して、自治体や医療機関の間で医療情報を安全に連携するシステムです。医療費助成や予防接種などの手続きをデジタル化し、紙の受給者証や診察券を持ち歩く負担を減らすことを目指しています。2026年10月現在、全国の自治体で導入が急速に進んでいます。
何が発表された?
デジタル庁は2026年10月30日、PMHに関する最新の運用資料を公開しました。今回更新されたのは、先行実施事業に参加している自治体の一覧や、自治体システムベンダー向けのエラーコード、医療機関・薬局向けの制度関連マスタなどです。PMHは、2023年度に開発が始まり、医療DX(デジタル技術による医療の変革)の工程表に基づき、自治体システムの標準化と連動しながら全国展開が進められています。今回追加された「PIAひな形」は、個人情報を取り扱う事務の前に、プライバシーリスクを事前評価するために活用されます。
どんな制度?
医療費助成のオンライン資格確認
これまで自治体ごとに発行されていた医療費助成の受給者証を、マイナンバーカードに統合する取り組みです。医療機関の窓口でカードを提示すれば、システムが自動で受給資格を確認します。これにより、受給者証の紛失や更新手続きの負担が軽減されます。PMHの導入により、自治体や医療機関は紙のやり取りから解放され、業務負担が大幅に改善されます。
予防接種・母子保健のデジタル連携
マイナポータルと連携し、スマホで予診票の入力が可能になります。接種履歴や健診結果をリアルタイムで確認できるほか、接種勧奨や受診勧奨の通知を受け取ることで、健康管理の漏れを防ぐ仕組みです。住民は健診忘れを防ぎ、自治体は効率的に勧奨を行えます。
全国規模でのシステム基盤
PMHは、自治体や医療機関をネットワークでつなぐ基盤です。特定の自治体だけで完結するのではなく、全国の医療機関で共通して利用できる仕組みとして開発されており、2026年3月時点で利用可能な医療機関・薬局は約6.9万施設まで拡大しています。この基盤により、地域をまたいだ医療情報の連携が将来的に期待されます。
いつから、誰が、何をすればいい?
| 項目 |
内容 |
出典 |
| 開始時期 |
2023年度より順次開始(拡大中) |
デジタル庁 |
| 対象者 |
医療費助成や母子保健サービスを受ける住民 |
デジタル庁 |
| 手続き |
マイナンバーカードを提示(医療機関にて) |
デジタル庁 |
| 窓口 |
お住まいの自治体または各医療機関 |
デジタル庁 |
なぜ今?気をつけることは?
背景には、行政手続きのデジタル化と医療現場の業務効率化という二つの目的があります。紙の管理は住民にとっても自治体にとっても大きな負担であり、これをマイナンバーカードで解決しようとする動きです。ただし、PMHの利用には、医療機関側のレセコン(レセプトコンピュータ)改修や、自治体側のシステム対応が前提となります。医療機関が「利用する」設定を行うことで、利用規約に同意したとみなされます。すべての医療機関で即座に使えるわけではないため、受診時には必ず受給者証を持参することをおすすめします。
自分に関係ある?
子育て世帯や、医療費助成を受けているシニアの方には特にメリットがあります。これまで病院の窓口で何度も提示していた受給者証が不要になれば、受付の待ち時間が短縮されます。また、PMHの参加自治体数は2026年10月28日時点で614自治体に達しており、全自治体(622自治体)への到達が見込まれています。ほとんどの地域で利用できる未来がすぐそこまで来ています。住民は、マイナンバーカードを健康保険証として使うことで、受給者証の役割も兼ねさせることが可能になります。
もう申し込める?使える?
PMH自体への申し込みは、住民側からは不要です。以下の手順で利用環境を確認してください。
- マイナンバーカードを健康保険証として登録する。
- 受診する医療機関が「マイナ保険証」や「医療費助成のオンライン資格確認」に対応しているか確認する。
- 詳細は、デジタル庁の公式ページ「Public Medical Hub(PMH)」にて、最新の導入済み自治体リストや医療機関リストを参照する。
医療機関が対応済みかどうかは、デジタル庁が公開する事業者一覧リストから確認できます。
まとめ
PMHは全国の自治体で導入が進んでおり、医療手続きのデジタル化が着実に進んでいます。読者の皆様は、お住まいの自治体の広報やデジタル庁の公式サイトで、地域の対応状況を定期的に確認するようにしてください。自治体ごとの実際の運用状況については、直接自治体へ問い合わせることで、より正確な情報を得ることができます。