要約版:専門用語を控えて説明しています
診断シートでわかること
シートは、地震、水害、風害、停電、断水、通信障害、感染症、サイバー攻撃の8つが対象です。
「棚や機械を固定していますか」「重要なデータをバックアップしていますか」といった項目に、はいかいいえで答えます。これで足りない備えが見えてきます。
簡易版BCPの申請はどう変わるか
簡易版BCPは、防災・減災の事前対策をまとめた計画を、経済産業大臣が認定する制度です。
申請のときに、自社の災害リスクや基本的な対策を確認するチェックリストが必須になります。運用は2027年2月の申請からの予定です。
見直しの詳しい内容は、まだ発表されていません。中小企業庁のホームページで、今後案内される予定です。
2026年11月6日に発表された経済産業省の報道発表によると、同省は中小企業・小規模事業者向けに「防災診断シート」を新しく作成しました。診断シートは、自社の備えを確かめるためのものです。申請などの手続きは、発表の文章からは求められていません。
一方、事業継続力強化計画(簡易版BCP)の認定を受けたい事業者は、2027年2月の申請から手続きが変わる予定です。すでに認定を受けている事業者への影響は、まだ発表されていません。
簡易版BCPは、地震や水害などに備えた事前対策の計画を、経済産業大臣が認定する制度です。BCPは、災害時に事業を続けるための計画を指します。
地震から感染症まで、8つのリスクを自己点検
発表のきっかけは、2026年11月2日に細野防災大臣が各府省へ出した「事前防災徹底のための緊急要請」です。所管する中小企業に対し、簡易版BCP認定制度の活用を求めました。計画づくりが難しい場合でも、自社の災害リスクを把握し、基本的な対策を自己点検するよう促すことが要請されています。
経済産業省は、この要請を受けて診断シートを用意しました。「備えが必要なのはわかっているが、何から始めればよいかわからない」という事業者を想定した資料です。
対象は次の8つのリスクです。
- 地震
- 水害
- 風害
- 停電
- 断水
- 通信障害
- 感染症
- サイバー攻撃
各リスクには、「はい」か「いいえ」で答えるチェック項目が並びます。たとえば地震では、棚・什器・機械設備等の固定や、重い物の落下・転倒防止を確認します。ガラスや照明の落下・飛散対策や、避難通路に倒れやすい物を置いていないかも問われます。
水害では、事業所の想定浸水深(浸水したときの水の深さの想定)を確認しているかを聞かれます。止水板や土のうの準備、避難や休業を判断する基準の有無も項目に入っています。
停電の項目では、発電機や蓄電池などの代替電源を、想定浸水深より高い場所に置いているかを確認します。サイバー攻撃では、ウイルス対策ソフトの導入・更新、OSやソフトウェアの更新、重要データのバックアップが並びます。アクセス権限の限定と、攻撃を受けたときの報告・連絡体制も確認項目です。
(経済産業省の診断シート、11/8確認)
シートには、事業者名や記入日、メモ欄があります。診断後の進め方は、5つの段階で示されています。
- 気づく:診断結果から弱点を確認する
- 相談する:身近な支援機関に相談する
- 計画する:事業継続力強化計画をつくる
- 実行する:設備対策・備蓄・訓練を行う
- 見直す:定期的に確認し、改善する
シートには、中小機構の支援情報や地域の防災相談窓口への案内も載っています。
簡易版BCPの申請は2027年2月からチェックリストが必須に
もう一つの変更は、簡易版BCPの申請です。事業継続力強化計画に取り組む事業者向けに、自社の災害リスクや棚の固定など基本的な対策の実施状況を確認するチェックリストが新たに追加されます。申請時の必須項目になります。
経済産業省は、事業者が基本対策の必要性を再認識し、自社のリスクや課題を踏まえた実効性の高い計画につなげたい考えです。運用は2027年2月の申請から始まる予定です。見直しの詳細は、中小企業庁のホームページで今後お知らせするとしています。
事業継続力強化計画は、中小企業のための取り組みやすいBCPと位置づけられています。申請は、単独型・連携型とも電子申請システムで行います。(経済産業省の事業継続力強化計画のページ、11/8確認)