概要
J-Net21のコラムが公開されました。2020年の民法改正によるルール変更がテーマです。2027年3月に迫る手形・小切手の交換廃止への対応も重要になっています。中小企業の経営者や取引担当者は確認しておきましょう。変更点と実務のポイントが5つのテーマで解説されています。
これまでの契約書をそのまま使っていませんか。取引のやり方をそのまま使っていると危険です。知らないうちに不利な条件を受け入れるおそれがあります。必要な保護を受けられなくなるかもしれません。
何が発表された?
中小機構がビジネス情報サイト「J-Net21」を運営しています。その法律コラムにて記事がまとめられました。中小企業を取り巻く法改正と、決済実務の変更点が記されています。
2020年に民法の大改正が施行されました。これで取引におけるルールが大きく変わっています。「時効」「金利」「保証」のルールが変更されました。
さらに、2027年3月31日が迫っています。この日には電子交換所における約束手形・小切手の交換が終了します。手形や小切手の機能が全面的な電子化を迎える大きな節目です。
また、2026年1月に「取適法」が施行されました。旧下請法から変わったこの法律です。対象となる取引では手形による支払が禁止されています。
本稿では5つのテーマに絞られました。中小企業が押さえておくべき実務対応のポイントが示されています。
中身をくわしく見ると?
消滅時効はどう変わった?
売掛金などの債権には消滅時効があります。一定期間が経過すると権利を行使できなくなる仕組みです。
改正前は業種ごとに異なる複雑な短期消滅時効がありました。改正後はルールが統一されています。原則として2つの基準のどちらか早い方で完成します。「権利を行使できることを知った時から5年」です。あるいは「権利を行使できる時から10年」となります。
通常の売買代金請求権などは支払期日から5年で時効が完成します。時効の完成を猶予する方法も確認しましょう。新しい制度として書面による「協議を行う旨の合意」などが設けられています。
法定利率や個人保証のルールは?
法定利率については変更がありました。これまでは年5%の固定制でした。現在は変動制に移行しています。年3%を起点として3年ごとに見直されます。市中金利に応じた見直しが行われます。
個人保証については保護が大幅に強化されました。将来発生する不特定の債務を保証する仕組みを「根保証」と呼びます。個人が保証人となる場合は注意が必要です。上限額である極度額を契約書に定めなければ無効となります。
また、事業用融資についてもルールがあります。経営者以外の第三者が保証人になるケースです。この場合は公正証書による意思確認が必要になります。
手形廃止と取引先倒産への備えは?
2027年3月31日をもって約束手形・小切手の交換が終了します。電子交換所における取り扱いが終わりを迎えます。
今後は代替手段への移行が必要です。銀行振込や電子記録債権などを利用しましょう。でんさいやファクタリングといった手段への切り替えが求められます。
また、手形の不渡りという従来のシグナルに頼れなくなります。主要取引先の決算状況を定期的にモニタリングしましょう。支払状況の確認も大切です。法的整理が始まった場合の対応手順も把握しておきましょう。債権届出などの手順を確認しておくことが重要です。
なぜ今?業界への影響は?
2027年3月末の手形交換終了に向けた動きが進んでいます。多くの金融機関では振入期限の前倒しが進められています。入金受付の終了日を早める動きもあります。
また、2026年1月に施行された取適法の規制もあります。これらによりサプライチェーン全体での変化が起きています。手形に依存しない決済への切り替えが急務となっています。
(編集部注:法改正や制度の変更に合わせた契約書の見直しを行わない場合、リスクが生じます。代金回収のリスクを負うおそれがあります。法律上の不利益を被る可能性もあるため、早めの確認が必要です)
自分に関係ある?
中小企業の経営者に直接関係があります。経理担当者や営業の取引担当者も対象です。
確認すべき事項は複数あります。売掛金の時効管理を見直しましょう。取引先との契約書の遅延損害金条項も確認が必要です。個人根保証の極度額の有無なども確認しなければなりません。
特に実務上の影響が大きい企業があります。現在手形払いを利用している企業です。また、取引先から個人保証を取得している場合も影響が大きくなります。
もう使える?取引できる?
手形から別の決済手段への切り替えは自社ですぐに着手できます。契約書の見直しも自社ですぐに始められます。
公式情報はJ-Net21の公式サイトに掲載されています。詳細なチェックリストも当該コラムにあります。そちらをご参照ください。
個別のご相談も可能です。取引や契約に関する悩みは専門機関に問い合わせることができます。最寄りの弁護士会を利用しましょう。商工会議所や中小企業活性化協議会も利用できます。よろず支援拠点への問い合わせも可能です。
まとめ
自社の契約書を確認しましょう。売掛金の時効もチェックしてください。手形の利用状況も確認が必要です。必要に応じて取引先との協議を進めましょう。
新しい法律やルールの詳細を確認することをおすすめします。J-Net21の公式記事を読みましょう。法務省の案内を確認することも有効です。