要約版:専門用語を控えて説明しています
何が問題とされているのか
オンラインオリパは、トレーディングカードを独自に組み合わせて売るサービスです。スマホで手軽に買えるため、若者を中心に広がりました。
東京商工リサーチによると、原告代理人の西川研一弁護士は、当たったカードの価値を運営側が自由に決めている点を問題にしています。還元率や交換条件を、支払う前に示さないことも挙げています。
当たったカードは、購入申請をしないとサイト上のポイントに替わる仕組みです。西川弁護士は、これがくり返し課金につながっていると見ています。
数字と今後
弁護士法人・響には、10月5日までに約1.7万件の相談が寄せられました。申告ベースの支払総額は約159億円です。
提訴された5社のうち2社では、裁判所から仮差押の決定が出ています。回答した1社は、法令に違反していないとして争う方針です。
オンラインオリパを使っている人や、利用を考えている人は、支払い画面や還元率の表示を残しておくと、トラブルのときに確認しやすくなります。今回の訴訟は原告38名が起こしたもので、記事は他の利用者の契約や返金への影響には触れていません。
オンラインオリパは、トレーディングカード(トレカ)を独自に組み合わせたオリジナルパックを、ネット上で売るサービスです。東京商工リサーチの調べによると、トレカ人気とスマホで手軽に買える点から、若者などの間で急速に広がりました。
提訴は9月17日、請求は約2億7,000万円
東京商工リサーチによると、原告38名は9月17日、運営5社を相手に約2億7,000万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴しました。原告代理人は、弁護士法人・響の西川研一弁護士です。
西川弁護士は「オンラインオリパはカード販売だけではなく、ギャンブル性の高い繰り返し課金の構造が大きな問題だ」と指摘しています。東京商工リサーチが、同弁護士にインタビューしました。
弁護士法人・響には、10月5日までにオンラインオリパに関する相談が約1.7万件寄せられています。申告ベースの支払総額は約159億円です。
西川弁護士が挙げる問題点
西川弁護士は、当選したカードの価値を運営側が自由に決めていると述べています。還元率や交換条件を支払前に示さないなど、消費者契約法や特定商取引法に触れる行為が横行しているという見方です。
カードの評価額が独自の設定だと告げていないことは、不利益な事実を伝えない行為にあたる可能性があるとしています。
当選したカードは、購入申請をしない限り、プラットフォーム上で使えるポイントに替わる仕組みです。西川弁護士はこの仕組みが、くり返し課金の温床になっていると説明しています。運営側が返金を認めないケースも、散見されるとのことです。
高額カードの当選確率や還元率について、算定の根拠を示していない点も挙げています。実際より高く表示し、還元率10,000%をうたう例もあるといいます。同弁護士は、こうした射幸心(偶然の利益を期待する気持ち)をあおる構造が、若者や未成年を含む多くの利用者に多額の被害を出したと認識しています。実物のカードの在庫を持っているかどうかにも、疑いの余地があるとしています。
決済の入り口にも目を向ける
西川弁護士は、カード会社や決済代行業者の存在も、このスキームを支えていると指摘しています。カード会社などは、加盟店の業種や取扱品を、4桁のMCC(マーチャントカテゴリーコード、加盟店分類番号)で分類しています。
同弁護士によると、今回の運営5社などは、実態と異なる物販やデジタル商品でMCCを登録していました。その結果、カード会社には「通常の買い物」として承認要求が届き、決済の審査や利用限度、不正検知が見逃された恐れがあります。今後は、カード会社や決済代行業者への検証も視野に入れているとのことです。
運営事業者の実態が見えにくい点も、問題として挙げています。登記上の本社に運営の形跡がない、電話が通じない、書面が届かない事業者がいるといいます。
背景として、一部の業者がオンラインオリパ事業をパッケージで売り、参入しやすくなっていることを考えているとのことです。カードの在庫を手元に置く必要が低く、ポイントで商売ができ、価値も自由に決められるため、利幅を確保しやすいと説明しています。実店舗が要らず、カード販売や古物商を装える点も、悪質な業者に都合がよいと見ています。
日本の利用者に関係があるのは、いまは提訴と相談の段階
記事によると、今回の訴えは東京地裁に起こされた損害賠償請求です。日本の裁判所に、原告38名が運営5社を相手に訴えた形です。ただし記事は、ほかに被害を受けた利用者の人数や、被害の内訳は示していません。
響に寄せられた約1.7万件は、オンラインオリパに関する相談の件数です。申告ベースの支払総額約159億円は、相談者の申告に基づく数字で、記事では実際の支払額として確かめられたとは書かれていません。
記事が挙げる手がかりは、当選カードの価値や還元率、交換条件が支払前に示されていたかどうか、当選したカードがポイントに替わる仕組みかどうか、の2点です。
一方、記事には、5社が日本のどの地域で、どの価格帯のサービスを提供しているかは書かれていません。料金の目安、利用の始め方、退会や返金の手続きについても、発表では触れていません。
5社のうち2社で仮差押、1社は争う方針
西川弁護士によると、提訴した5社のうち2社で、裁判所から仮差押の決定を得ています。今後は民事のほか、刑事告訴や行政への働きかけも並行して進める考えです。
東京商工リサーチは、5社に質問状を送りました。期日までに回答したのは1社です。この会社は、訴状などの正式な書類をまだ受け取っていないと述べました。そのうえで、関係法令に違反する運営はしておらず、契約の取消事由に当たる事実も把握していないとして、訴訟を含めて争う方針を示しました。
東京商工リサーチは、オンラインオリパが、実効的な規制や監督の仕組みがないまま巨大市場へと膨らんだと記しています。