この調査は、買い物にAIを使う人が何を期待し、どこに不安を感じているかを探ったものです。AIを使わない人にとって、今日から買い物の進め方が変わるわけではありません。ただ、AIに商品を選んでもらう人がどれくらいいるのかは、AIが買い物にどこまで広がっているかを示す数字です。
調査は2026年7月24日から28日までの5日間、インターネットで行われました。まず全国の20〜69歳の男女5,000人を対象に予備調査をし、そのうちAIを使って商品やサービスを検討・購入した経験がある1,003人に本調査をしています。

買い物でAIを使った人は25.6%、7割以上は使っていない
予備調査で、直近1年以内にAIツールを使って商品やサービスを検討・購入したかを聞くと、「AI活用購買あり」は25.6%でした。残る74.4%は使っていません。まだ大半の人は、AIを買い物に使っていない段階です。
AIを使って最も購入した商品・サービスの内訳は、次のとおりです。
- 日用品・家電(機能品):10.0%
- ファッション・趣味(嗜好品):6.8%
- 旅行・金融・高額サービス(高額品):6.3%
編集部の見立てでは、日用品や家電のように比べる条件がはっきりした買い物から、AIが使われ始めているようです。一方で、旅行や金融などの高額品は6.3%にとどまります。
本調査の1,003人に、AIへの期待も聞いています。最も多かったのは次の項目です。
- 自分に似合うものの提案:51.2%
- 時短・効率化:40.4%
- 失敗の回避:34.0%
- 最安値の探索:32.9%
- 新たな発見:31.3%
「自分に似合うもの」が過半数を占めたことから、AIには単なる効率化より、自分に合わせた提案を求める人が多いことが分かります。
年代で見ると差があります。「時短・効率化」は20代が47.6%で全年代で最も高く、情報を速く処理してほしいという期待がうかがえます。「最安値の探索」は年齢が上がるほど高くなり、60代では35.5%でした。
AIの提案と自分の直感が食い違ったときは、どちらを優先するのでしょうか。回答は次のとおりです。
- 自分の直感を優先した:48.8%
- 両者の中間を探した:29.7%
- AIに従った:13.4%
20代では、直感を優先した人が53.9%と全年代で最も高くなりました。

日本の利用者は、AIを検索の道具として使い、失敗も感じている
AIに求める役割では、次の3つが上位です。
- 検索エンジン・辞書のような存在:53.4%
- 相談相手・カウンセラー:33.6%
- 専門家・顧問・アドバイザー:29.5%
年代によって使い方は分かれます。検索としての利用は年齢が上がるほど高く、60代では63.6%に達しました。一方で20代は、「相談相手・カウンセラー」が34.1%、「友達・話し相手」が25.1%と、AIを人と話すような相手として使う傾向が見られます。
懸念も聞いています。AIの提案に従って「失敗経験がある」と答えたのは20.7%でした。AIに判断を任せることで「選ぶ楽しさが減った」と感じる人は34.5%で、「強く感じる」と「やや感じる」を合わせた数字です。
- 失敗経験がある:20.7%
- 選ぶ楽しさが減った:34.5%
- AIによる推奨が世の中を画一的にする懸念がある:32.2%
いずれの懸念も20代が全年代で最も高く、選ぶ楽しさが減ったと感じる人は41.6%でした。発表した楽天インサイトは、AIによる判断の効率の裏で、体験が画一化することや、選ぶ喜びが失われることを、20代がより切実に感じていると見ています。
調べた側の限界もあります。AIへの期待や懸念は、AIを使って買い物をした1,003人の回答です。買い物をする人全体の割合ではありません。


