概要
Sakana AIが東京でシンポジウムを開催しました。そこで、自社で一から開発する新しい言語モデルシリーズが発表されました。
ユルゲン・シュミットフーバー教授を迎えた講演や対談が行われました。これにより、世界モデルの歴史と日本から挑むAIの未来が語られました。
人工知能の次の時代を見据えています。同社の新たな挑戦の全貌を整理します。
何が発表された?
Sakana AI公式ブログによると、2026年10月26日に東京・一橋講堂でシンポジウムが開催されました。イベントのタイトルは「From World Models to Real-World AI — 日本から拓くAIの新時代」です。
イベントでは、チーフサイエンティストの秋葉拓哉氏が登壇しました。そして、事前学習から自社で開発する言語モデルシリーズ「Sakana Sawara(仮称)」を発表しました。
最初のモデルは「Sawara Small(仮称)」です。順調に進めば2027年春に公開される予定です。
発表された主な取り組みや組織体制は次のとおりです。
- 新しい自社製言語モデルシリーズ「Sakana Sawara(仮称)」の事前学習への参入
- 日本のユーザー向けに事後学習を行った「Sakana Namazu」の提供
- フロンティアモデルと自社モデルを組み合わせる「Sakana Fugu」によるオーケストレーション
- 言語モデル、世界モデル、再帰的自己改善(RSI)の3チームからなる「RSI Lab」の設立
前と何が違う?
自社製の事前学習モデルへの挑戦
これまでのSakana AIは事後学習に注力していました。既存のオープンモデルを日本向けに調整していたのです。
しかし、「Sakana Sawara」では事前学習から自社で取り組みます。
学習データや手法のすべてを管理します。ツールを使った推論やコーディングなどのエージェント用途に最適化するのが特徴です。
世界モデルの源流を受け継ぐ設計
基調講演を行ったのはChief Scientific Advisorのユルゲン・シュミットフーバー教授です。彼は1990年に世界モデルや人工好奇心の基礎を築いた研究者です。
共同創業者兼CEOのDavid Haとの共同研究である「World Models」の考え方を受け継いでいます。エージェント・ネイティブな言語モデルと世界モデルを連携させる設計を掲げているのです。
AIサイエンティストによる自律的な研究
研究チームは「AIサイエンティスト」の開発を進めています。これはアイデア出しから実験、論文執筆までを自動化する仕組みです。
人間の研究者とAIが協働します。仮説を磨き上げる「共同発見」の仕組みを取り入れ、学術的な成果も挙げ始めています。
数字で見るとどう変わった?
元記事の発表では、具体的なベンチマークスコアや性能を示す数値の提示はありませんでした。
今後の開発プロセスやモデル公開の段階で、詳細なデータが示される見込みです。
ライバルと比べてどう?
大手海外企業は巨額の計算資源を投じて大規模モデルの開発を競っています。これに対し、Sakana AIは独自の集合知や「研究効率」の高さで差別化を図っています。
リソースが限られた環境でも強みを発揮します。人材の密度とAIの大規模な活用を掛け合わせているのです。
これにより、フロンティアモデルに迫る特化型モデルの構築を目指すアプローチが特徴です。
料金は?
元記事では、開発中の「Sakana Sawara(仮称)」に関する具体的な料金体系への言及はありませんでした。価格についても触れられていません。
日本で使える?
最初のモデルは「Sawara Small(仮称)」です。順調に進めば2027年春にウェイトが公開される予定です。
日本の企業や研究機関に向けた新しいAI基盤として期待されています。しかし、今日からすぐに一般ユーザーが試せる状態ではありません。
自分にはどう関係する?
エンジニアなら
自社で一から設計されたエージェント・ネイティブなモデルの仕組みに触れられます。また、RSI Labによる再帰的自己改善の技術動向が今後の開発手法に影響を与えます。
企画・マーケティングなら
日本の文化や価値観に寄り添う「Sakana Namazu」などの事後学習モデルがあります。さらに、今後登場するSawaraシリーズを自社業務にどう組み込むか検討する契機になります。
経営者・管理者なら
大量の計算資源を投入する競争とは異なるアプローチがあります。効率的な研究開発や日本のAI主権を支える独自の技術戦略を、自社のAI活用の参考にできます。
まとめ
Sakana AIは「Sakana Sawara(仮称)」の開発に向けた準備を進めています。事前学習から自社で手がけ、2026年12月に事前学習の開始を控えています。
まずは2027年春の「Sawara Small(仮称)」の公開予定に注目しましょう。その上で、日本のAI主権を担う今後の研究成果を追っていきましょう。