Claude Enterpriseで、プロジェクトに自社の経費コードや案件番号を付け、利用額をタグ別に集計できるようになりました。ベータ版で、対象はEnterpriseの適格な組織に限られ、プロジェクトの外で使った分にはタグが付きません。個人プランやTeamプランへの影響は、発表では触れられておらず、管理者が設定画面でタグを作るところから始まります。
Claude Enterpriseを使う組織の管理者と、費用を部署や案件に割り振る経理の担当者に関係する機能です。個人プランやTeamプランへの影響は、発表では触れられていません。
プロジェクトタグは、ClaudeのプロジェクトにWBSコード(作業を分解した番号)、チャージコード(費用の請求先を示す番号)、案件番号などを付ける仕組みです。付けたコードごとに、利用額を確認できます。
対象外の条件が多いベータ版
Claudeのヘルプセンターによると、プロジェクトタグはClaude Enterpriseのプランでベータ版として提供されています。設定をオンにする操作はなく、対象の組織では自動で有効になります。
次の組織は対象外です。
- HIPAA(米国の医療情報保護法)の構成を使う組織
- 顧客管理の暗号鍵(CMEK)を使う組織
- データを保持しないZDR(Claude Code向けを含む)や、最小限のデータ保持を使う組織
- データを米国外に保存している組織
- Claude Desktopを自社のモデル提供元経由にしている組織
タグ名と値は、組織のすべての利用者に見えます。機密情報は入れないようにしてください。
タグと値の仕組み、誰が何をできるか
タグは報告に使う分類の名前で、たとえば cost_code や client_matter です。値はコードそのもので、たとえば CC-1042 です。1つのタグが持てる値は、1プロジェクトにつき1つです。1つのプロジェクトに付けられるタグは最大16個です。
権限は役割ごとに分かれています。
- タグの作成と値の管理: プライマリオーナー、オーナー、またはオーナー権限のあるカスタムロール
- プロジェクトへの値の設定: そのプロジェクトの「編集可」の権限を持つ人
- タグ別の利用額の閲覧: プライマリオーナー、オーナー、または分析の閲覧と請求の閲覧の権限を持つカスタムロール
- APIキーの作成: プライマリオーナー
タグ名は小文字で空白なしにする決まりで、あとから変更できません。値の入力方式は、用意した一覧から選ぶ方式と、利用者が自由に入力する方式から選べます。新しいプロジェクトへの値の設定を必須にする設定もあります。
どの作業でタグが付くか
タグが効くのは、プロジェクトの中での作業だけです。プロジェクトの外の作業にはタグが付きません。
- プロジェクト内のチャット: 付く
- プロジェクト内の統合チャットとCowork: 付く
- パソコン上のCoworkタスク: Claude Desktop 3.6556.1以降に更新し、タスクごとに1つのプロジェクトを選ぶと付く
- ターミナルやデスクトップのClaude Code: プロジェクトを設定すれば付く。Claude Code 2.1.305以降、またはClaude Desktop 3.6556.1以降が必要
次の場面では対象外です。
- Web版のClaude Code
- Claude for Office
- Claude in Chrome
- Claude Design
- SlackとMicrosoft TeamsのClaude
- アーティファクト
- 音声モード
- Claude APIとClaude Console
- Amazon Bedrock、Google Cloud Vertex AI、ゲートウェイ、APIキー経由のClaude Code
Claude Codeはファイルでプロジェクトを指定する
Claude Codeにはプロジェクトを選ぶ画面がありません。利用者が設定ファイルに自分で書く必要があります。未設定でも警告は出ず、利用分にはタグが付かないままです。管理者は、利用者へ事前に伝えておく必要があります。
手順は次のとおりです。
- Claudeでプロジェクトを開き、URLの末尾にあるIDをコピーする(claude.ai/project/ の後ろの部分)
- リポジトリ内の .claude/settings.json、または全リポジトリに効かせるなら ~/.claude/settings.json を開く
- { "attributionProject": "PROJECT_ID" } の行を、自分のIDで追加する
- リポジトリの設定ファイルを使った場合は、Claude Codeに聞かれたときにフォルダーを信頼する
ファイルはJSONとして正しい形を保つ必要があります。余分なカンマが1つあるだけで、そのパソコンのClaude Codeが動かなくなることがあります。
利用額の見方と数字の読み方
組織設定の利用状況の画面にある「プロジェクト別の支出」で、「グループ化」のメニューから作ったタグを選びます。期間と製品のメニューで絞り込めます。データは前日の終わり(UTC)までです。「Export CSV」でCSVに書き出せます。
非公開プロジェクトの名前は、この画面とCSVでは「Private project」と表示されます。分析ダッシュボードと分析API、コンプライアンスAPIでは本来の名前が出ます。
数字を読むときは、作業を始める前にタグを付けておく必要があります。タグの設定が効くまでに約2時間かかり、効く前の利用分はタグの集計に入りません。公式ヘルプはこの節で他にも注意点を挙げていますが、取得できた範囲では最初の1点までです。
まだ分からないこと
- 正式版(一般提供)に移る時期はまだ発表されていません。
- 日本のEnterprise契約での提供状況はまだ発表されていません。
- ベータ版の期間中に、対象外の条件が緩和されるかどうかはまだ発表されていません。
管理者が最初にすること
オーナーは、組織設定のプロジェクトタグの画面で「Create tag」を選び、名前(例 cost_code)を入力します。値の入力方式を選び、一覧から選ばせる場合は1行に1つずつ値を入れます。CSVで取り込むこともでき、1列で見出しを値にします。
新規プロジェクトに値を必須にしたい場合は、「Required」のスイッチをオンにします。値はあとから追加できます。プロジェクトを編集できる人は、プロジェクトを開いて「Tags」の欄から「Add tag」を選び、タグと値を指定します。