かんたん版:専門用語を使わずに説明しています
ひとことで言うと
OpenAIが、自社のソフトのセキュリティの穴を見つけてくれた人へのお礼(報奨金)を、大きく増やしました。
ChatGPTなどの大事な製品で重大な穴を見つけたら、最大3万ドルもらえます。
何がすごいの?
たとえるなら、借りている家の鍵の不具合を見つけて大家さんに知らせると、お礼がもらえる仕組みです。そのお礼の額が上がった、という話なんです。
深刻度が「中」「高」「重大」の穴は、お礼の真ん中あたりの額が、平均で4倍以上になりました。
とくに深刻な穴なら、ボーナス込みで最大172,000ドルです。
お礼に上乗せがつく仕組みも3つ加わりました。
- 報告がていねいで分かりやすいと上乗せ
- 何度も協力してくれる人には、5段階の上乗せ
- 新しく出た機能を調べる期間限定の企画で上乗せ
すでに報告を出して、まだお礼をもらっていない人にも、新しい額が使われます。
自分に関係ある?
関係が深いのは、セキュリティの穴を探す技術を持つエンジニアや研究者です。
会社でセキュリティを担当している人は、報告書の書き方の参考になります。
それ以外の人、お金や資産づくりの面では、直接の影響は小さいです。
使ってみるには
元記事からリンクされた、OpenAIの公式のバグ報奨金ページで、対象の製品とルールを確かめてください。
日本から参加できるかどうかは、元記事には書かれていません。
許可された範囲の外で勝手に試すのは避けましょう。
概要
OpenAIが、自社のソフトに潜むセキュリティの穴を見つけてくれた外部の人へのお礼を、大きく増やしました。この仕組みを「バグ報奨金(バグバウンティ)」と呼びます。
ChatGPTなどの主力製品で重大な穴を見つけた場合、報奨金は最大3万ドルです。とくに深刻なものは、ボーナス込みで最大172,000ドルまで出ます。
うれしいのは、腕のあるセキュリティ研究者やエンジニアです。報告の質が高いほど、長く協力するほど、上乗せがつく仕組みも加わりました。
何が発表された?
日本時間11月3日に公開されたOpenAI公式ブログによると、同社は「Security Bug Bounty」プログラムの報奨額を引き上げました。新しいサービスではなく、すでにある制度の改良です。
狙いは、社内のテストで見落とした弱点を、独立した研究者に探してもらうことです。OpenAIは、見つけた欠陥をまず開発元に知らせる「責任ある開示」を、守りの考え方の中心に置いています。
社内では「Defense Factory」という取り組みも進めています。エンジニアが自社のAIモデルを使い、弱点を見つけて再現し、直し方を試すものです。報奨金制度は、これを外側から補う役目です。
今回の変更は、次の5つです。
- 報奨額そのものの引き上げ
- 報告の質に応じた上乗せ(品質ボーナス)
- 継続して協力する人向けの5段階のボーナス
- 新機能を対象にした期間限定の上乗せ
- 未払いの報告と、直近に支払い済みの報告への新基準の適用
新しい基準が何日の報告から使われるのか、正確な開始日は元記事に書かれていません。ただし、提出済みでまだ報奨金が出ていない報告にも、新しい基準を当てはめるとしています。
前と何が違う?
中〜重大な欠陥は、報奨額の中央値が平均で4倍超に
深刻度が「中」「高」「重大」の3つの段階で、報奨額の幅の中央値を、平均で4倍より大きくしました。
ChatGPT、Codex、API Platformは、元記事で「コア製品」(主力製品)とされています。このコア製品で重大な欠陥を見つけると、報奨金は最大3万ドルです。
さらに、同じコア製品で「例外的」とされるほど深刻な発見は、引き続き最大10万ドルの対象です。ここにボーナスを合わせると、最大172,000ドルになります。つまり最高額の対象は、ChatGPT・Codex・API Platformでの例外的な発見です。
報告がていねいだと「品質ボーナス」が掛け算で乗る
質の高い報告には、基本の報奨額に掛け算のボーナスがつきます。
評価されるのは、欠陥を切り分けた信頼できる実証(PoC=本当に攻撃できると示す再現手順やコード)です。どんな条件で悪用できるか、どんな被害が出るかまで示した報告が対象です。
OpenAIは、こうした報告があると修正に早く取りかかれると説明しています。元記事の計算例では、品質ボーナスは1.15倍でした。
長く協力する人には5段階の「ロイヤルティボーナス」
継続して協力する研究者向けに、5段階のボーナス制度を新しく設けました。段階に応じてボーナスが変わる仕組みです。
元記事の計算例に出てくる段階と倍率は、次のとおりです。
- Bronze:1.05倍
- Gold:1.10倍
- 31337:1.15倍
残りの段階の名前や倍率、各段階に上がる条件は、元記事に書かれていません。
新機能を調べる「優先キャンペーン」で上乗せ
新しく公開された機能を対象に、専用のボーナスの原資を用意した短期間のキャンペーンを行います。
研究者にとっては、新機能を早い段階で調べて、高い報酬を狙える機会です。元記事の計算例では、優先キャンペーンのボーナスは1.30倍でした。対象になる機能や期間は、元記事には書かれていません。
すでに出した報告にも新しい基準を適用
提出済みで、まだ報奨金が出ていない報告には、新しい報奨額の幅を当てはめます。
この公表の前30日以内に支払い済みの報告も対象です。新しい基準のほうが高くなる場合は、差額が払われます。差額の計算に入るのは、基本の報奨額とロイヤルティボーナスです。
数字で見るとどう変わった?
元記事には、過去の支払い例と新しい計算の例を並べた表があります。ただし元記事は、例も過去の額も「illustrative(例示)」だと断っています。実際にこの額が払われた、あるいは払われると決まったわけではありません。
4つの例すべてで新しい計算の額が上回りますが、どれも元記事の例示です。
| 比べること |
前(過去の例) |
今回(新しい計算の例) |
変化 |
| 中・ChatGPT:閲覧のみの権限でファイルを上げられる |
750ドル |
2,415ドル |
増額 |
| 高・Prism:他人のプロジェクトのファイルを読める |
1,000ドル |
3,162.50ドル |
増額 |
| 重大・ChatGPT:ワンクリックでアカウント乗っ取り |
6,500ドル |
51,577ドル |
増額 |
| 例外的・ChatGPT:任意のユーザーの会話を見られる |
100,000ドル |
171,925ドル |
増額 |
新しい額の内訳は、元記事によると次の掛け算です。
- 中:2,000ドル×品質1.15×Bronze 1.05
- 高:2,500ドル×品質1.15×Gold 1.10
- 重大:30,000ドル×品質1.15×優先キャンペーン1.30×31337 1.15
- 例外的:100,000ドル×品質1.15×優先キャンペーン1.30×31337 1.15
Prismは、元記事ではコアではない製品として扱われています。高の例にある「IDOR」は、データの番号などを指定するだけで、本来見えないはずの他人のデータにたどり着けてしまう欠陥の種類です(編集部注)。
中・ChatGPT:閲覧のみの権限でファイルを上げられる+1,665ドル(3.2倍)出典:
OpenAI公式ブログ。数字は記事の表のとおり。棒の長さは0からの大きさです。
ライバルと比べてどう?
GoogleやMicrosoftも、外部の研究者に報奨金を払う制度を持っています(編集部注)。
ただ、元記事には他社との比較がありません。対象製品や深刻度の分け方も会社ごとに違うため、同じ条件で金額を比べることはできません。ここでは比較を控えます。
報奨金はいくら?参加にお金はかかる?
元記事で示された報奨額は、次のとおりです。
- コア製品(ChatGPT・Codex・API Platform)の重大な欠陥:最大3万ドル
- コア製品での例外的な発見:最大10万ドル
- 上の例外的な発見にボーナスを加えた場合:最大172,000ドル
円にすると、3万ドルは約474万円、10万ドルは約1,580万円です(税別の目安。1ドル=157.90円で計算。サイソク編集部の計算)。
参加に費用がかかるかどうかは、元記事に書かれていません。報奨額の幅の全体は、元記事からリンクされた公式のプログラムページに載っているとしています。
なお、下の表はChatGPT自体の料金プランです(OpenAI公式の料金ページ、11/3確認)。無料版から個人向けのPro、法人向けのBusinessまでありますが、今回の報奨金制度とは別の話です。
ChatGPTの料金プラン確認日 2026-11-03| 無料版※ | 料金(公式) | 円の目安— | 主な上限・違い— |
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| Go※ | 料金(公式) | 円の目安— | 主な上限・違い- This plan may include ads.(広告が表示される場合あり)
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| Plus※ | 料金(公式) | 円の目安— | 主な上限・違い— |
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| Pro 100※ | 料金(公式)- 16,800円/月から(月払い)
- $100/月(月払い)
| 円の目安— | 主な上限・違い- Ultrafast: Not included
- 月額 ¥16,800 分の API クレジット(日本向けページ)
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| Pro 200 | 料金(公式) | 円の目安約34,740円(税込みの目安) | 主な上限・違い- Ultrafast: Not included
- 月額 ¥30,000 分の API クレジット(日本向けページ)
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|---|
| Pro 500 | 料金(公式) | 円の目安約86,850円(税込みの目安) | 主な上限・違い- Ultrafast: Included
- 月額 ¥84,000 分の API クレジット(日本向けページ)
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| Business(スタンダードシート) | 料金(公式) | 円の目安約4,340円(税込みの目安) | 主な上限・違い- ChatGPT, ChatGPT Work, and Codex
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| Business(プレミアムシート) | 料金(公式)- $100/人・月(年払い)
- $125/人・月(月払い)
| 円の目安約21,710円(税込みの目安) | 主な上限・違い- ChatGPT, ChatGPT Work, and Codex with higher usage limits
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出典:What is ChatGPT Plus?(OpenAI ヘルプ)、About ChatGPT Pro tiers(OpenAI ヘルプ)、What is ChatGPT Business?(OpenAI ヘルプ)、ChatGPT プランと料金(日本向け・円表示)(確認日:2026-11-03)
円は1ドル=157.90円(2026-11-02、ECB参照レート(ユーロ経由で計算))で計算した目安です。ドルのプランは消費税10%を足しています。実際の請求額は為替とカード会社の手数料で変わります。
税:ドルの価格は OpenAI ヘルプセンター。円の価格は chatgpt.com の日本向け料金ページ(税の扱いの記載なし)
※ は公式ページを機械で読めないため、人が公式ページを確認して記入した値です。
同じ価格帯の他社プラン確認日 2026-11-03| ChatGPT Go※ | 料金(公式) | 円の目安— | 主な上限・違い- This plan may include ads.(広告が表示される場合あり)
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| Google AI Plus | 料金(公式) | 円の目安— | 主な上限・違い- 無料版の 2 倍の使用量上限
- Gmail、Google ドライブ、Google フォト共通で利用できる 400 GB のクラウド ストレージ
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| Microsoft 365 Personal | 料金(公式) | 円の目安— | 主な上限・違い- 1 ユーザー用
- 無料版よりも高い使用上限での、高度な Copilot
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| Microsoft 365 Family | 料金(公式) | 円の目安— | 主な上限・違い- 1 - 6 ユーザー (AI はサブスクリプション所有者のみが使用可能)
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出典:ChatGPT プランと料金(日本向け・円表示)、Google AI プラン(日本)、Microsoft 365 の個人・家庭向けプラン比較(日本)(確認日:2026-11-03)
円は1ドル=157.90円(2026-11-02、ECB参照レート(ユーロ経由で計算))で計算した目安です。ドルのプランは消費税10%を足しています。実際の請求額は為替とカード会社の手数料で変わります。
※ は公式ページを機械で読めないため、人が公式ページを確認して記入した値です。
段・クラスの分け方はサイソク編集部の目安です(公式の区分ではありません)。
料金の詳しい比較は ChatGPTの料金はいくら?無料版・Go・Plus・Proの違いをやさしく比較 へ
日本で使える?
日本から報奨金制度に参加できるかは、まだ分かりません。元記事に参加できる国や資格の記載がないためです。
ChatGPTとOpenAIのAPIそのものは、日本で使えます(当サイトの確認:11/3)。ただ、それと報奨金制度に参加できるかどうかは別の話です。
- アクセス先:元記事からリンクされた、OpenAI公式のセキュリティバグ報奨金プログラムのページ
- 参加資格・必要なアカウント:元記事に記載なし。公式ヘルプの手順を確認してください
- 言語:元記事は英語です。プログラムの日本語対応は書かれていません
- 対象:ChatGPT・Codex・API Platformがコア製品。Prismはコアではない製品の例として登場
- 注意:プログラムが認める範囲の外で攻撃を試すのは避けてください(編集部注)
- 対面の機会:11月20〜21日、米オークランドのイベント「PROMPT2PWN」にOpenAIのセキュリティチームが参加し、対象をその場で試せるとしています
自分にはどう関係する?
会社員として
セキュリティ担当者やWeb開発者には、報告書の書き方の参考になります。OpenAIは、欠陥を切り分け、悪用の条件と被害まで示した報告に上乗せすると明言しました。社内で脆弱性を報告するときも、同じ観点で書くと伝わりやすくなります。
社内でChatGPTやAPIを使う会社の情報システム担当者にとっては、OpenAIが外部からの報告をどう扱っているかを知る材料です。
副業・独立を考えている人
セキュリティ診断の技術がある人には、欠陥を見つけて報告し、報酬を得る道の一つになります。重大な欠陥なら最大3万ドルです。
ただし、欠陥が見つかる保証はありません。参加資格や税の扱いも元記事には書かれていません。本業との兼ね合いを含め、公式の条件を読んでから判断しましょう。
お金・資産づくりの面で
この立場への直接の影響は小さいです。ChatGPTの利用料金が変わる発表でもありません。
この数字はどう読む?
コア製品の重大な欠陥1件の上限は、約474万円にあたります。例外的な発見の基礎額10万ドルは約1,580万円で、ここに品質やキャンペーンのボーナスが掛け算で乗ります(サイソク編集部の計算)。
中・高・重大の段階で中央値が平均4倍超という幅を見ると、正直、OpenAIが外部の目に払う対価をはっきり増やした発表です。ただし表の個別の額は例示なので、実際の支払額の目安として受け取らないでください。
まとめ
OpenAIは報奨額を上げ、質の高い報告と継続的な協力に上乗せする形に切り替えました。
腕に覚えがある人は、まず公式のプログラムページで対象製品と参加条件を確かめましょう。
直近30日以内に報奨金を受け取った人は、差額の対象かどうかも確認しておくと安心です。