9月の数字は、従業員5人以上の事業所で働く人の平均です。自分の給料の増減とは一致しません。ただ、物価の上がり方を踏まえても賃金が上回って伸びている状況を、国の統計で確かめられます。
毎月勤労統計調査は、事業所に聞いて賃金や労働時間を調べる国の統計です。厚生労働省が毎月公表しています。今回の速報は2026年11月6日に出ました。
実質賃金は2.2%増、物価の見方で数字が変わる
実質賃金は、名目賃金(実際に支払われた額)を物価指数で割って、物価の影響を除いたものです。
厚生労働省の毎月勤労統計調査の発表によると、物価指数の取り方で2通りの数字が出ています。主に使われるのは、実際に取引された商品やサービスに限った「持家の帰属家賃を除く総合」です。持家の帰属家賃とは、持ち家を借家とみなしたときの家賃のことです。
- 持家の帰属家賃を除く総合で実質化: 指数83.7、前年同月比2.2%増、9カ月連続プラス(2020年平均=100)。この物価の前年同月比は2.4%上昇
- 総合で実質化: 指数85.4、前年同月比2.3%増、10カ月連続プラス。この物価の前年同月比は2.2%上昇
2つは物価指数が違うため、数字が異なります。本記事で単に実質賃金と書くときは、前者を指します。
現金給与総額は311,409円、8カ月連続で3%以上の伸び
名目賃金の一人平均(就業形態計)は、前年同月比で次のとおりです。
- 現金給与総額(規模5人以上): 311,409円、4.6%増
- 現金給与総額(規模30人以上): 350,562円、4.6%増
- きまって支給する給与: 299,151円、3.6%増
- 所定内給与: 279,182円、3.7%増
- 特別に支払われた給与: 12,258円、32.6%増
現金給与総額は、税や社会保険料を引く前の額です。きまって支給する給与と、特別に支払われた給与の合計になります。
規模5人以上の現金給与総額で3%以上の伸びが8カ月続くのは、34年6カ月ぶりです。規模30人以上では36年7カ月ぶりでした。所定内給与は9カ月連続で、33年11カ月ぶりです。
特別に支払われた給与は、賞与などの一時金を含みます。32.6%増という伸びは、夏のボーナスの影響が出やすい9月の数字として見る必要があります。
正社員などの一般労働者は5.0%増、パートの時給は5.4%増
一般労働者(パートタイム労働者以外)の現金給与総額は、401,722円で、前年同月比5.0%増でした。8カ月連続で3%以上となるのは、調査開始の1994年1月以来、初めてです。所定内給与は356,516円で4.0%増でした。
パートタイム労働者の所定内給与は、時間当たりで1,463円です。5.4%増で、63カ月連続のプラスとなりました。
夏季賞与は448,765円、前年より5.3%増
夏季賞与は、毎年9月の速報にあわせて載ります。支給した事業所で、労働者一人あたりの平均額です。
- 規模5人以上: 448,765円、5.3%増
- 規模30人以上: 522,724円、5.2%増
ボーナスが出なかった事業所は含みません。自社の支給額と比べるときは、規模をそろえて見るとずれにくくなります。
比較するときの注意点
2026年1月に、調査する事業所の一部入れ替えがありました。入れ替えの前後で結果を比べると、現金給与総額で1,582円(0.5%)の段差が出ています。きまって支給する給与では801円(0.3%)です。この段差は、前年同月比にも影響する可能性があります。
速報値は、確報で改訂されることがあります。