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その他公式発表(2026/10/30)掲載: 読了 3分

理研と東大、「未来」の観測記録で光の量子状態を正確に推定することに成功

3秒でわかる要点

  1. 1理研などの国際共同研究グループが量子状態スムージングを実験で初めて実証しました。
  2. 2未来の観測記録を活用することで、過去の量子状態を従来より正確に推定できることを示しました。
  3. 3純度が10.3%、スクイージングが7.6%改善し、真の状態により近い推定を実現しました。

理化学研究所と東京大学などの国際共同研究グループは、「過去」と「未来」の観測記録を組み合わせて光の量子状態のダイナミクスを推定する「量子状態スムージング」の実験実証に初めて成功したと発表しました。量子技術の性能を極限まで高める要となる技術として期待されます。

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・出典: 理化学研究所「「未来」の観測が明らかにする光の量子ダイナミクス」

かんたん版:専門用語を使わずに説明しています

ひとことで言うと

理化学研究所と東京大学などの研究グループが、未来の観測記録も手掛かりにして、過去の光の状態をこれまでより正確に把握することに成功したというニュースです。

何がすごいの?

これまでは、ある瞬間の状態を知るために、その時までの記録だけを使っていました。しかし、未来の記録もあわせて計算に使うと、より正確に過去の状態が分かることが理論で知られていました。量子力学の世界ではそのまま計算するとルールに矛盾することがありましたが、別の観測者が隠れた情報を測るという設定を光の実験で再現し、初めて検証することに成功しました。

自分に関係ある?

今すぐ日常生活で使うものではありませんが、測定しながら計算を進めるタイプの量子コンピュータや、高精度な量子センサーの性能を限界まで高めるための基礎となる重要な技術です。

使ってみるには

本研究は基礎科学の実験成果であり、一般向けの製品やサービスとして提供されているものではありません。詳細な研究内容は、科学雑誌『npj Quantum Information』のオンライン版で公開されています。

概要

理化学研究所と東京大学などの国際共同研究グループは、「過去」と「未来」の観測記録を組み合わせて光の量子状態のダイナミクスを推定する「量子状態スムージング」を初めて実験で実証しました。量子技術の高性能化に向けた重要な成果となります。論文は科学雑誌『npj Quantum Information』オンライン版に10月21日付で掲載されました。

何が発表された?

理化学研究所量子コンピュータ研究センターの横山翔竜上級研究員、米澤英宏チームディレクター、東京大学大学院工学系研究科のワリット・アサバナント助教(研究当時)らの国際共同研究グループによる発表です。ある時刻の信号を推定するとき、その時刻までの記録だけでなく、より後の「未来」の記録も手掛かりにする「スムージング」と呼ばれる手法を、光の量子状態の推定に適用して検証することに成功しました。

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何が分かった?

量子状態スムージングとは何か

ある時刻の信号を推定する際、それより後の未来の観測記録も手掛かりにする方法をスムージングと呼びます。古典的な信号処理では広く使われていますが、量子の世界では観測が状態に影響を与えるため、そのまま適用すると不確定性原理に反するなど物理的に解釈できない結果が生じる課題がありました。

2015年に提案された「量子状態スムージング」は、推測を行う観測者とは別の隠れた観測者が測定を行っているという仮定を置き、確率的に平均することで量子力学の原理と矛盾しない形で状態を推定する手法です。

実験でどのように検証したのか

国際共同研究グループは、光共振器内に閉じ込められた「スクイーズド状態(光の特定の成分の量子揺らぎが真空状態より小さくなった量子的な状態)」を推定対象としました。共振器から出力される光を二つに分け、二つの検出器(AliceとBob)で測定することで、Aliceから見えない情報をBobが測るという理論上の設定を実験で再現しました。装置を精密に較正し、光の損失や検出効率を反映したモデルを構築して解析を行っています。

従来の手法と何が違うのか

解析の結果、推定時刻までの記録だけを使う従来のフィルタリング手法に比べ、未来の記録も活用するスムージングでは、基準となる「真の状態」からのずれが小さくなることが確認されました。

量子状態の純度やスクイージングレベルが改善することも示され、未来の記録を使うことで過去の量子状態の持つ量子的な特徴をより忠実に反映できることが実証されました。

数字で見ると?

本研究の実験や解析結果に関する主な数値や条件は以下の通りです。

  • 掲載誌: 科学雑誌『npj Quantum Information』オンライン版
  • 掲載日: 2026年10月21日付(発表は2026年10月30日)
  • 純度の改善: 従来のフィルタリングに比べ最大で10.3±1.6%向上
  • スクイージングの改善: 従来のフィルタリングに比べ最大で7.6±2.6%縮小
  • 助成事業: 日本学術振興会(JSPS)科学研究費助成事業基盤研究(C)「量子状態平滑化による光共振器内部における量子挙動推定の研究」

まだ分からないことは?この先は?

本研究は光共振器を用いた線形ガウス量子系における検証であり、今後は観測後のデータから量子状態の変化をより詳しく調べる解析手法として、適用できる条件や対象を広げていくことが期待されています。測定記録を保存して後から処理する量子情報実験の解析や評価への応用が見込まれています。

自分に関係ある?

本研究は基礎科学・量子物理学の分野における成果であり、現時点で一般の会社員や学生、消費者が直接利用する製品やサービスではありません。しかし、測定誘起型の量子コンピュータをはじめとする次世代の量子情報処理や量子センサーの性能を高める基礎技術として、将来的なテクノロジーの発展に大きく寄与する可能性があります。

見られる?参加できる?

本研究は一般向けのイベントや製品の販売ではなく、学術研究の成果発表です。読者が確認できる公式情報や関連資料は以下の通りです。

  • 理化学研究所の公式ウェブサイトにプレスリリースが掲載されています。
  • 論文の詳細は科学雑誌『npj Quantum Information』で閲覧可能です。
  • 研究内容に関する問い合わせは、理化学研究所広報部や東京大学大学院工学系研究科広報室の窓口が用意されています。

まとめ

未来の観測記録を活用して過去の光の量子状態を正確に推定する量子状態スムージングが実験で初めて実証されました。今後は量子技術のさらなる高性能化に向けた応用研究が進められる見通しです。

読者の皆様は、理化学研究所などの公式発表や科学ニュースを通じて、今後の量子コンピュータ関連の進展に注目してみてください。

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