Microsoftは、Windowsの定番プレゼンテーション支援ツール「ZoomIt」のmacOS版「ZoomIt for Mac」を公開しました。AzureのCTOであるMark Russinovich氏が、AIを用いたエージェント型コーディングを活用し、わずか2日間で移植を完了させたものです。長年Windows専用だった強力なズームや描画、画面録画機能がmacOSでも完全無料で利用可能になりました。
AI解析: gemini-3.5-flash
元動画: ZoomIt for Mac: How AI Ported a 20+ Year-Old Windows Tool
Microsoft AzureのCTOであり、システムユーティリティ群「Sysinternals」の共同開発者であるMark Russinovich(マーク・ルシノビッチ)氏は、Windowsの定番プレゼンテーション支援ツール「ZoomIt」のmacOS移植版である「ZoomIt for Mac(v12.11)」を一般提供(GA)しました。この移植プロジェクトは、Russinovich氏がAIを用いたエージェント型コーディングを活用し、わずか2日間の週末でコードの90%以上を完成させたものです。ソースコードはMITライセンスのもとでGitHubに完全オープンソースとして公開されており、誰でも無料で利用可能です。さらに、PowerPointの発表者ツールと連携して特定のウィンドウや領域をリアルタイムで外部モニターにミラーリングする新機能「Demo Mirror」も発表され、近日中にWindows版およびMac版に搭載される予定です。
ZoomIt for Macは、Windows版で長年培われたプレゼンテーション支援機能をmacOS上で忠実に再現しています。画面を瞬時に拡大する「Zoom」機能に加え、拡大した画面上にリアルタイムで注釈を書き込める「Draw」機能を備えています。描画モードでは、フリーハンドによる書き込みだけでなく、直線、矢印、四角形、楕円といった図形を正確に描画できます。また、画面上に直接テキストをタイピングして注釈を追加する「Type」機能もサポートしています。動画内のデモでは、画面をズームした状態で赤い枠線を描き、キーボードから「hello, zoomit!!」とスムーズに入力する様子が実演されました。これらの機能により、登壇者は大教室やオンラインウェビナーにおいて、聴衆の視線を特定のコードや資料の一部に正確に誘導できます。
3. macOSの操作性を向上させる画面キャプチャ「Snip」
macOS標準のスクリーンショット機能は、撮影後のクリップボードへの保存やファイル書き出しの挙動が、Windowsに比べて手数が多く煩雑であるとRussinovich氏は指摘します。ZoomIt for Macはこの課題を解決するため、独自の画面キャプチャ機能「Snip」を搭載しました。ユーザーが「Control + 6」のショートカットキーを押すと、画面上の任意の領域をドラッグして選択できます。選択された領域は即座にmacOSのクリップボードに格納されます。デモ画面では、キャプチャした領域をVS Code上のマークダウンファイルに「Control + V」で即座に直接貼り付けるワークフローが披露されました。これにより、ドキュメント作成や開発者同士のコミュニケーションにおける画面共有の効率が大幅に向上します。
4. 音声対応の画面録画とWebカメラ重ね合わせ機能
ZoomIt for Macは、静止画のキャプチャだけでなく、画面の操作内容を動画として記録する「Record」機能を搭載しています。画面全体、またはユーザーが指定した特定の矩形領域のみを対象に録画を開始できます。この録画機能は、マイクからの音声入力だけでなく、システム内部のオーディオ出力も同時にキャプチャ可能です。さらに、録画中の画面内に操作者のWebカメラ映像をピクチャー・イン・ピクチャーで重ねて表示する「Webcam Overlay」機能もサポートしています。カメラ映像の表示サイズや、画面の四隅のどこに配置するかといった設定も、メニューバーの「Settings」から直感的にカスタマイズできます。録画終了後には簡易的なビデオエディターが起動し、動画の前後をトリミングして不要な部分をカットした上で保存できます。
macOS向けに提供されている既存のプレゼンテーション支援ツールや、OS標準機能と「ZoomIt for Mac」の機能比較は以下の通りです。競合ツールの仕様については、編集部の背景知識に基づき補足しています。
機能・項目
ZoomIt for Mac (v12.11)
macOS標準ズーム機能
サードパーティ製ツール(例:DemoProなど)
開発・提供元
Microsoft (Sysinternals)
Apple
各サードパーティ開発者(編集部注)
価格・ライセンス
完全無料・オープンソース (MIT)
無料(OS標準機能)
有料(App Storeでの販売等、編集部注)
画面ズーム
静的ズームおよびライブズーム対応
画面全体の拡大のみ(描画連携なし)
対応(ツールにより仕様は異なる)
アノテーション描画
直線、矢印、四角、円、テキスト入力対応
非対応
フリーハンド描画が中心、機能に制限あり
画面録画・編集
音声キャプチャ、Webカメラ重ね合わせ、簡易編集対応
画面収録のみ(カメラ重ね合わせ等は不可)
録画機能を持たないものが多い(編集部注)
Demo Mirror機能
対応(発表者ツールを維持したまま特定領域を投影)
非対応
非対応(OSのディスプレイ設定変更が必要)
入手方法
GitHub、Homebrew
システム設定
Mac App Store等
取材班の見立てでは、ZoomIt for Macは完全無料かつオープンソースでありながら、有料のサードパーティ製ツールを凌駕する多機能さを備えており、macOSにおけるプレゼン支援ツールの決定版となる実力を持っています。
料金・提供プラン
ZoomIt for Macは、完全無料で提供されています。ライセンスはMITライセンスが適用されており、商用利用を含めて誰でも自由に利用、改変、再配布が可能です。企業内での一括導入や、教育機関での利用においてもライセンス費用は一切発生しません。提供開始時期は2026年7月24日となっており、すでに一般提供(GA)が開始されています。ソースコードはGitHub上で公開されているため、バグ報告や機能提案、プルリクエストの送信など、コミュニティによる開発への貢献も広く受け付けています。
日本から使う方法
日本のユーザーが、手元のMacで今日からZoomIt for Macを使い始めるための具体的な手順は以下の通りです。UIは英語表記ですが、日本語の入力や日本語環境での動作には完全に対応しています。
今回の発表は、20年以上の歴史を持つWindowsの定番ツールが、AIの力によってわずか2日間でmacOSへ移植されたという、ソフトウェア開発の転換点を示すものです。新機能「Demo Mirror」の追加により、プレゼンテーションの体験はさらに洗練されたものになります。Macを使用するすべての発表者は、今すぐGitHubまたはHomebrewから「ZoomIt for Mac」を導入し、その圧倒的な利便性と、AIがもたらした開発スピードの恩恵を体感してください。