公式発表Matthew Berman

AIのループ処理がソフトウェア開発を根本から変革 逆コンパイルと数学的証明の自動化

AIによるコード生成技術の進化に伴い、既存ソフトウェアの逆コンパイルや完全再構築が短期間で可能となりつつあります。動画クリエイターのマシュー・バーマン氏は、検証可能なフィードバックループを備えたAIエージェントが、従来数年を要したゲームコードの再現や複雑な数学的証明をわずか数日で達成する現状を解説しました。ソフトウェア自体の複製が容易になる中、人間の創造性や運用の価値が問われています。

AI解析: gemini-3.5-flash

元動画: Everything has been solved

3秒でわかる要点

  1. 1N64ソフト『スノーボードキッズ』の逆コンパイルを、AIループ処理により従来の数年から84日に短縮
  2. 2画面観察と試行錯誤のループでPhotoshopやExcel等の有料ソフトをオープンソース化する手法が確立
  3. 3OpenAIのモデルが一日で多数の未解決数学論文・証明を提示し、検証可能領域でのAI優位性が顕著に

何が発表されたのか

AI専門解説者のマシュー・バーマン(Matthew Berman)氏は、2026年10月10日に公開した動画において、AIエージェントによるコード生成と自動検証のループがもたらすソフトウェア業界の構造変化について包括的な取材結果を発表しました。かつて人間の開発チームが何年も費やしていたゲームソフトの逆コンパイル(Decompilation)や、高額な商用ソフトウェアのオープンソース再構築が、AIを用いることで数日から数週間の単位に圧縮されている現実を提示しています。また、OpenAIが公開した数学分野における研究成果やGoogleの「AlphaEvolve」などを例に挙げ、AIが自己の出力を自律的に検証するフレームワーク(Verifiable Loop)の有効性を主張しました。

発表された機能・アップデートの全容

AIによる逆コンパイルと並列エージェントのループ処理

プログラミングにおけるコンパイルは、人間が理解できるソースコードをコンピューターが高速実行できる機械語に変換する作業です。一方、逆コンパイルは機械語から元のソースコードを推定して復元する逆算のプロセスを指します。従来、『大乱闘スマッシュブラザーズDX』などの逆コンパイルは、大規模な有志コミュニティが何年もかけて「試行(Guess)と検証(Check)」を繰り返す膨大な手作業でした。動画内では、この検証ループをAIに担わせる技術が解説されています。入力値から期待される出力(例:マリオがジャンプする動作)を理解しているAIは、自律的にコードを書いてビルドし、挙動が一致するかを不眠不休で確認します。さらに、ゲームの「世界観」「プレイヤー」「物理法則」「ルール」といった構成要素を分割し、複数のAIエージェント(Parallel Agents)に並行処理させることで、開発期間を「年単位」から「日単位」へ短縮可能になりました。実際、N64用ソフト『スノーボードキッズ』の完全逆コンパイルプロジェクトでは、従来2年近く要すると見込まれていた作業がAIの活用により84日間で完了した事例が示されています。

異種ゲームを組み合わせる3つのマッシュアップ手法

AIによるコード解析・再構築技術により、異なるゲームの要素を融合させる「マッシュアップ」が多様化しています。動画では以下の3つの具体的手法が整理されました。

  1. アセットスワップ(Asset Swap): 既存のゲームエンジンと物理ルールを維持したまま、登場キャラクターの外見(グラフィックや3Dモデル)のみを差し替える手法です。『バットマン』のゲーム内で『スパイダーマン』を操作したり、『エルデンリング』の世界に『スーパーマリオ』のモデルを配置したりする実装がこれに該当します。
  2. パススルーMOD(Pass-Through Mod): 2つの異なるゲームエンジンを同時に起動し、中間をAIブリッジで接続してリアルタイムに位置情報やイベントを同期させる手法です。実例として『Minecraft』と『Grand Theft Auto V(GTA V)』を連動させ、Minecraft側でTNT爆薬を爆発させると、その座標情報がGTA V側に送信されて同じ場所で爆発エフェクトとダメージが発生するシステムが提示されました。
  3. メカニクス移植(Mechanic Transfer): あるゲームの特定の操作感や挙動ルールを抽出し、別のゲームエンジン上にコードとして再構築する手法です。『Call of Duty』のFPS視点内で『トニー・ホーク』のようなスケートボードの加速・ジャンプ・衝突判定の挙動を完全に再現する例が挙げられました。

画面観察による商用ソフトウェアの完全再構築(PhotoCraft・FilmCraft)

AIの検証ループは、ゲームの逆コンパイルにとどまらず、一般的なGUIソフトウェアの複製にも応用されています。ソースコードが非公開である高額な商用ソフトウェアであっても、AIが画面のUI動作や操作に対する応答(アウトプット)を観察(Observe)し、内部ルールを推測して全く新しいコードで再構築することが可能になりました。動画内では、Adobe Photoshopの機能をRust言語を用いてクリーンルーム設計で完全再現し、オープンソース化された無料ソフト「PhotoCraft」や、Adobe Premiere Proを再構築した「FilmCraft」が紹介されました。マシュー・バーマン氏自身も、画面上のクリック挙動や数式入力結果をAIに観察させ、Microsoft Excelと同等の動作を行うフロントエンドを1ファイルで生成させた実験結果を示しています。ソースコードそのものを盗用するのではなく、挙動の一致をゴールとしてAIがコードを書き直すため、完全に新しいオープンソース実装として機能します。

OpenAIのGPT-6.1 Solによるゲーム再構築実験

マシュー・バーマン氏は、OpenAI DevDayで配布されたゲームボーイ風ハードウェア「Mod Retro(Chromatic)」向けに、『スーパーマリオワールド』を最初から(From Scratch)再構築する自作デモを公開しました。開発に使用されたAIモデル「GPT-6.1 Sol」は、目標となるゲーム挙動のドキュメントとオンライン資料を参照しながら、自律的にコードの修正・テスト・検証を繰り返すループを実行しました。画面上の実行ログでは、AIエージェントが「4日4時間38分」以上にわたりノンストップでプログラミングを実行し続けている様子が確認できます。人間がトークン制限やAPIコストに悩まされることなく、安価で高性能なモデルを活用することで、従来数か月を要するレトロゲームの移植や再開発が数日程度で完結する見通しが示されました。

未解決の数学問題を解き明かすAIの検証ループ

検証可能なゴールを持つ領域において、AIの能力はソフトウェア開発を超えて学術研究へ波及しています。2026年10月6日、OpenAIは「Sharing AI progress in mathematics」と題する研究発表を行い、フロンティアモデルが導き出した多数の数学的成果をGitHub等で公開しました。有志の解析者(Will Depue氏等)が「GPT-6 Pro」や「Fable 5.1」などのモデルを用いて過去3年間の数学的発見を分類したリストによると、人間による発見(青色マーク)や過去のAIによる発見(赤色マーク)に対し、OpenAIが発表した最新の発見(緑色マーク)が過半数を占めていることが判明しました。数学の証明問題は「与えられた論理ステップが正しいか否か」をプログラムで厳密に判定できるため、AIが疲労することなく膨大な順列組み合わせを試行し続けるループ処理(Verifiable Loop)と極めて相性が良いと説明されています。

性能・ベンチマーク

動画内で提示されたゲーム逆コンパイルおよび数学・コード最適化に関する定量的データは下表の通りです。

評価項目 / 成果 従来の人間による実績 AI活用後の実績 動画内出典・根拠
N64『スノーボードキッズ』逆コンパイル期間 約2年(推定) 84日間(100% C言語再現) Chris Lewis氏のブログ記事(動画04:32)
GPT-6.1 Solによるマリオ完全移植連続稼働時間 人手で数か月 4日4時間38分(進行中) バーマン氏の自作デモ画面(動画05:24)
OpenAI数学的発見の割合 過去の人間・AIが主流 単日で多数の証明を生成(緑色表示が過半数) OpenAI研究発表・Will Depue氏の分類(動画12:22)
Google AlphaEvolveによるコード最適化 人間のエンジニアによる手動チューニング 大規模インフラ構造の自動最適化で年間巨額コスト削減 Google AlphaEvolve論文(動画15:08)

競合サービスとの比較

AIによる自律プログラミングおよび自律ループ処理の分野では、OpenAI、Anthropic、Googleが激しい開発競争を繰り広げています。主要各社の最新アプローチと本動画における位置づけを下表に整理しました。(※競合サービスに関する一部の補足情報は編集部注に基づきます)

開発企業 / モデル 自律ループ・検証機能の特徴 ソフトウェア・数学への適用力 編集部注による競合分析
OpenAI (GPT-6.1 Sol / GPT-6 Pro) 推論とコード実行を自律反復する「/loop」コマンドや長時間エージェントに対応 数学的証明の大量生成やゲーム完全移植で突出した成果を発揮 長時間コンテキストと自動検証ループによる自律完結型タスクに強みを持つ
Anthropic (Claude Code / Claude 3.5 Sonnet) ターミナル環境でのファイル操作・テスト実行・エラー修正のループに特化 コーディング時の正確性と人間との協調的リファクタリングで高評価 人間の開発プロセスに寄り添うCLIエージェントとして根強い支持を得る
Google (AlphaEvolve / Gemini) 高度なアルゴリズム自動設計と社内巨大コードベースの最適化を自動化 Google全社のバックエンド構造を改善し年間数千億円規模の効率化を達成 自社インフラの自己改善(Recursive Self-Improvement)実用化で先行

料金・提供プラン

本動画内では、特定のAPI利用料金や各AIツールの詳細な月額サブスクリプション価格についての具体的な金額提示はありませんでした。ただし、マシュー・バーマン氏はモデルの軽量化・高速化・低価格化(Capability Up / Compute Down / Cost Down)が急速に進んでいる点に言及しています。従来のようにトークン消費量を気にして作業を中断する必要がなくなり、一般ユーザーであっても数日間に及ぶ連続AIループ処理を低コストで実行できる環境が整いつつあると解説されました。

日本から使う方法

日本の開発者やクリエイターがAIエージェントによる自動検証ループやオープンソース再構築を実践するための手順は以下の通りです。

  • 適切なエージェント環境の準備: CursorやClaude Code、OpenAIの最新APIなどの自律実行ループに対応した開発環境を準備します。
  • 明確な検証コード(テストコード)の作成: AIに与える目標(Goal)とともに、AIが書いたコードが正しいかを自動判定するユニットテストや評価プログラムを設定します。
  • タスクの細分化と並列化: 単一のエージェントに全コードを書かせるのではなく、物理演算、UI、ゲームルールなどのモジュールごとにプロンプトを分割し、複数のエージェントを平行稼働させます。
  • オープンソースプロジェクトの参照: GitHub上で公開されている「PhotoCraft」や「FilmCraft」などのリポジトリをクローンし、クリーンルーム設計の手法やAIへの指示出しを学習します。
  • 注意点とライセンス確認: 挙動の完全再現やアセットスワップを行う際は、著作権や商標権の侵害にならないよう、個人の学習目的やオープンソースライセンス(MIT / Apache 2.0等)の範囲内で実行してください。

誰にどう効くのか

エンジニア・ソフトウェア開発者への影響

コードの記述そのものはAIによって自動化・高速化されるため、従来のような単純なコーディング作業の価値は大幅に低下します。一方で、「AIが検証すべきゴールやテストケースをどう設計するか」「モジュール間のインターフェースをどう定義するか」といったシステムアーキテクチャ設計やプロンプトエンジニアリングのスキルが最重要となります。また、既存ソフトウェアの解析やリファクタリングが極めて容易になるため、レガシーシステムの現代化(モダナイゼーション)が劇的に加速します。

企画・プロダクトマネージャー・マーケターへの影響

高額な商用ソフトのクローン(PhotoCraft等)が迅速にオープンソース化される時代において、単に「機能が存在すること」自体は製品の差別化(Moat / 堀)になり得なくなります。製品の企画者やマーケターは、ユーザーの感情に訴えかけるUXデザイン、コミュニティの構築、柔軟な顧客サポート、他サービスとのエコシステム連携など、AIだけでは容易に模倣できない人間的価値の提供に注力する必要があります。

経営層・CTO・事業開発者への影響

ソフトウェア開発の原価が限りなくゼロに近づくことで、新規事業の立ち上げコスト(PoC作成費用等)が極めて低くなります。一方で、自社の独自ソフトウェア資産が他社やAIによって瞬時に分析・再現されるリスクが高まります。経営層は、ソフトウェア本体の販売モデルから、運用保守、コンサルティング、エンタープライズ向けセキュリティ、トレーニングといった「付加価値サービス」主体のビジネスモデルへの転換を迫られます。

まとめ

AIが自律的にコードを書き、その実行結果を検証して改善を繰り返す「検証可能なループ(Verifiable Loop)」の確立により、ソフトウェア開発と数学的発見のスピードは異次元の領域に達しました。今後、機能のコピーや再構築が容易になる中で、人間が果たすべき役割は「何を作るべきか」「誰のどんな感情に響かせるか」という問いに対するビジョンと美意識の提示へとシフトしていきます。

動画のタイムテーブル

  • 0:00ゲームの統合や複製を可能にするAIコード生成の劇的な進化
  • 0:42逆コンパイルの基本構造と従来の人間作業における課題
  • 1:42AIのループ処理(検証・試行錯誤)による逆コンパイル速度の向上
  • 4:04並列エージェントによる開発期間の大幅な短縮効果
  • 4:32N64『スノーボードキッズ』を84日で逆コンパイルした実例
  • 5:01AIを用いた『スーパーマリオワールド』の完全再構築プロジェクト
  • 6:41アセットスワップによるキャラクターの差し替え手法
  • 7:102つのゲームエンジンを結合するパススルーMODの仕組み
  • 7:54メカニクス移植による異種ゲーム動作の統合表現
  • 8:44外部挙動の観察に基づきソフトウェアを完全再作成する手法
  • 9:21PhotoshopやExcelをオープンソースで再構築する動向
  • 11:38OpenAIの数学的発見に関する研究発表とAIによる証明の分類
  • 13:40AIの再帰的自己改善(Recursive Self-Improvement)の可能性
  • 15:08GoogleのAlphaEvolveによるコード最適化と人間の役割の変化

記事で紹介したツール

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記事の内容は公式発表の要約です。実際の使い勝手は触ってみないと分かりません。多くは無料枠から始められます。

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提供: OpenAI

本記事は元動画の映像・音声をAIが解析して自動生成したものです。誤りが含まれる可能性があるため、正確な仕様・料金は公式発表をご確認ください。元動画を見る(解析モデル: gemini-3.5-flash)