社内でJiraやConfluenceを使っている人にとって、今回の書簡で料金や操作が変わるという内容は示されていません。書簡は、豪Atlassianの株主に向けたものです。今期第1四半期の業績と、AIエージェントの使われ方を数字で報告しています。
Atlassianは、Jira(業務管理ツール)やConfluence(社内のwiki)を提供している会社です。書簡でCEOのMike Cannon-Brookes氏は、「人とエージェントのための仕事の基盤(System of Work)」という考え方を前面に出しました。
顧客が使うアプリが増えるほど、AIに渡せる情報も増えると説明しています。新機能は「毎週」届けているとしています。
書簡は、文脈(Context)、協力(Collaboration)、安心して使える統制(Confidence)の3つを柱にしています。規制の厳しい業界では、クラウド顧客の80%超がRovoを有効にしています。
画像:Atlassian(公式発表)日本で使えるかは未発表、料金も書簡に出ていない
この発表は日本向けの提供や価格を扱っていません。日本での提供時期、日本語への対応、新しいAI機能の料金は、まだ発表されていません。そのため、今回の数字で手元の契約が変わるわけではありません。
ただし、日本の企業に関係しうる数字もあります。
- 顧客数: 350,000社超
- Fortune 500企業のうち85%が利用
Jira、Confluence、Service Collection、Teamwork Collectionなどは、すでに多くの企業で使われています。自社が該当する契約を使っているなら、Rovoや連携機能が自社の環境で使えるかは、管理者や販売窓口に確かめるのが確実です。
日本の売上や顧客数は、まだ示されていません。
画像:Atlassian(公式発表)クラウドは30.5%増、契約残高は約7,440億円に
今期第1四半期の売上は、クラウドが30.5%増えました。
契約残高(RPO)は47億ドルで、円に直すと約7,440億円です。換算の内容は次のとおりです。
- 換算: サイソク編集部の計算(税別の目安)
- 為替: 1ドル=158.33円、ECB参照レートで11/6確認
RPOは前年同期比44.4%増です。直近1年以内に売上になる分を指す現在のRPOは28%増です。書簡は、企業の顧客がより大きく、より長い契約を結んでいることの表れだと説明しています。
Teamwork Collection(Atlassianの複数アプリをまとめた契約)に移った顧客は3,000社を超え、前年の7倍になりました。この顧客は、Jiraだけの顧客よりJiraの利用者1人あたりの完了作業が35%多いとのことです。エージェントの数も2倍で、JiraやConfluenceの利用規模も、単体の顧客より速く広げています。
Service Collection(同じくまとめ契約の一つ)の顧客は7万社を超えました。定期契約の売上は前年比30%超の伸びが続いています。競合からの乗り換えによる利用席数の伸びは、前年比40%超としています。
Rovoの利用は半年で2倍、人とAIの共同作業は月1,000万回超
Rovoのエージェントを使う人は半年で2倍になりました。1人あたりのRovoによる作業支援は、今年初めから3倍以上です。
人とAIエージェントの共同作業は、月に1,000万回を超え、半年で2倍になりました。Rovoによるエージェントの自動化は前年の9倍です。
AIが社内の作業を進める道筋になっているのが、Atlassian MCP Server(AIがJiraやConfluenceを読み書きするための接続口)です。Codex、Claude Code、Cursorなどのコーディング支援AIが、Jiraの作業票を作ったり状態を更新したりしています。
- 1日のMCP呼び出し: 1,500万回超(3月から15倍)
- 月に使う人: 200万人超(3月から8倍。約半分は法人の顧客)
- MCPを使い始めた人のJira作成: 平均50%増、Confluenceは75%増
MCPを使う人の98%は、同じ月にAtlassianの製品も使っています。書簡はこれを、エージェントが製品を置き換えるのではなく、利用を増やしている証拠としています。MCPを使う顧客の定期契約の売上は、使わない顧客の約2倍の速さで伸びています。
サイソクは11月1日、AI向けの社内データの品質を完全性・接続性・関連性の3つで評価する仕組みを伝えています(AI向けデータの品質指標「CQS」)。AIエージェントの乱立を防ぐ管理機能についても、同じ日に伝えています(AIエージェントの無秩序な増加を防ぐ管理機能)。
AIが仕事で役立つには、社内の文脈(コンテキスト)が要ります。Atlassianは、7種類の情報をつなぐ仕組みを、Teamwork Graph(社内の情報のつながりを記録する基盤)と呼んでいます。7種類とは、知識・作業・人・コミュニケーション・コード・資産・データです。
その記録は2,500億件を超える対象と関係に増え、半年前の1,500億件から伸びました。標準で80以上の外部ツールともつながるとしています。顧客の60%超は4種類以上の情報をつないでいます。ChatGPTとCodexをTeamwork Graphにつなぐ提携も拡大したとのことです。
人とAIの協力は、AMP(Agentic Multiplayer Protocol。人とAIエージェントが同じ作業の場で協力する仕組み)として、先月のTeam '26 Europeで導入されました。AMPではAIエージェントが画面上で1人の仲間として見え、誰が何をしたかの記録が残ります。JiraやConfluence、Loomのほか、FigmaやMicrosoft Teams、ChatGPT、Claudeとも連携するとしています。
導入企業の例として、Morgan Stanleyを挙げています。同社はJiraとConfluenceのクラウド移行を進め、Rovoを数千人のユーザーに広げています。VodafoneZiggoは、RovoやLoomを使って5か月でAIの利用を20倍に増やしたとのことです。