2026年7月21日、衆議院議員465人の資産等報告書が公開され、1人あたりの平均資産額が3,278万円であることが分かりました。しかし、この数値は実態を正確に反映しているとは言えません。YouTubeチャンネル「両学長 リベラルアーツ大学」では、この資産公開制度に存在する5つの大きな抜け穴を指摘し、公表された数値の形骸化を解説しています。他人の資産を気にするのではなく、自身の資産形成に集中することの重要性を説いています。
この動画で語られていること
この動画では、IT・マネー分野の教育系YouTuberである両学長が、2026年7月21日に公開された衆議院議員の資産等報告書に関するニュースを取り上げています。公表された「衆院議員の平均資産額は3,278万円」という数字について、制度的な不備や抜け穴が多数存在することから「実態を全く表していない、意味のない数字である」という立場から論じています。
政治家の資産公開という一見すると堅い政治ニュースを切り口にしながら、その制度がどのように形骸化しているかを5つの具体的な理由で解説しています。さらに、この分析を通じて、読者が他人の資産額やSNS上の資産自慢に惑わされることなく、自分自身の家計管理や資産形成に集中するためのマインドセットを持つよう促す、実践的な人生論・家計術の講義となっています。
解説された内容の詳細
1. 普通預金などが報告対象に含まれない
資産公開制度において、最も大きな抜け穴の一つが「普通預金」や「当座預金」といった流動性預金が報告対象外となっている点です。国会議員の資産公開において、預貯金のうち報告義務があるのは「定期預金」や「定期貯金」などの固定された預貯金のみとなっています。
動画内では、普通預金に1億円を保有し、定期預金に1,000万円を預けている議員の例が示されています。この場合、報告書に記載される預貯金額は、定期預金の1,000万円のみとなります。手元にいくら潤沢な現金があっても、それが普通預金口座にある限り、資産総額には1円も反映されません。このように、保有している現金の大部分が公表値から抜け落ちる仕組みになっています。
2. 株式や暗号資産などが総額に含まれない
国債や地方債、社債といった債券は資産総額に算入される一方で、株式は資産総額の計算から除外されています。株式については、保有している「銘柄名」と「株数」を報告書に書き込む欄自体は用意されているものの、その株式の額面や時価を算出して総額に加算するルールにはなっていません。
また、近年普及しているゴールド(純金)や、ビットコインをはじめとする暗号資産(仮想通貨)についても、現在の制度では報告義務の対象外となっています。これらの資産で数十億円規模のポートフォリオを構築していたとしても、公表される資産総額はゼロと表示されることになります。資産の多様化が進む現代において、この集計方法は実態と大きく乖離しています。
3. 不動産の評価に時価ではなく固定資産税評価額が使われる
土地や建物といった不動産資産の評価方法にも問題があります。資産報告書に記載される不動産の価値は、実際の取引価格(市場価格や時価)ではなく、地方自治体が課税基準として算出する「固定資産税評価額」などが用いられます。
固定資産税評価額は、一般的に実際の市場価格よりも大幅に低く設定される傾向があります。動画内では、実際の市場価格が1億円に達する都心のマンションであっても、固定資産税評価額ベースでは4,000万円と評価されるケースが紹介されています。この場合、報告書には4,000万円の資産として記載されるため、不動産を多く保有する議員ほど、実際の資産規模よりも著しく過小に評価されることになります。
4. 家族名義の資産が公開対象から除外されている
内閣の閣僚(大臣や副大臣など)が資産を公開する際には、配偶者や扶養する子の資産も合わせて公開する義務が生じます。しかし、一般の国会議員が提出する資産等報告書においては、原則として「本人名義」の資産のみが公開対象となっています。
このルールがあるため、自身の資産を配偶者や子ども、あるいは自身が実質的に支配する資産管理会社などの名義に移転させることで、本人名義の資産額を意図的に低く見せかけることが容易に可能です。家族全体で莫大な富を築いていたとしても、本人名義の口座や不動産が少なければ、報告書上は「資産の少ない議員」として処理されてしまいます。
5. 自己申告制であり虚偽記載に対する罰則がない
資産等報告書の作成と提出は、完全に議員本人の「自己申告」に委ねられています。提出にあたって、金融機関が発行した残高証明書や、法務局が発行した不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)などの客観的な証拠書類を添付する義務はありません。
さらに、提出された報告書に記載漏れがあったり、意図的な虚偽の記載(嘘の申告)が発覚したりした場合であっても、それを罰する法律上の罰則規定は存在しません。チェック機能やペナルティが存在しないため、制度自体の信頼性を担保する仕組みが根本的に欠如していると言えます。
動画で示された数字
動画内で提示された、2026年7月21日公開の衆議院議員の資産公開に関する主要な数値は以下の通りです。
| 項目 |
数値 |
出典・補足 |
| 対象議員数 |
465人 |
2026年2月の衆院選で当選した議員(一部四捨五入) |
| 1人あたりの平均資産額 |
3,278万円 |
前回公開時から609万円の増加 |
| 資産額トップの議員 |
逢沢一郎 氏(自民党) |
資産総額:7億9,044万円 |
| 資産総額上位10名の範囲 |
約2億1,500万円 〜 7億9,000万円 |
動画内スライド「資産総額の上位10人」より |
| リベシティ会員の資産アップ実感率 |
89.2% |
動画内アニメーションおよび概要欄の提示数値 |
| リベシティの無料体験期間 |
最初の30日間 |
新規入会者向けの無料期間 |
前提となる制度・仕組み
国会議員の資産公開は、1992年に制定された「政治倫理の確立のための国会議員の資産等の公開等に関する法律(国会議員資産公開法)」に基づいています。この制度は、国会議員がその地位を利用して不正に財産を蓄えることを防ぐとともに、政治活動の透明性を高め、国民の信頼を確保することを目的に創設されました。
しかし、前述の通り、普通預金が対象外であることや、株式の時価評価が行われないこと、自己申告で罰則がないことなど、制度設計の段階から多くの「抜け穴」が放置されてきました。このため、専門家の間でも「政治資金の透明化や不正蓄財の監視という本来の目的を果たしておらず、形骸化している」と長年批判されています。なお、これらの制度や関連する税制は、今後の法改正によって変更される可能性があります。
他の選択肢との比較
動画の後半では、「他人の資産状況(国会議員やSNS上のインフルエンサー)を気にすること」と「自分自身の家計や資産形成に集中すること」の比較が行われています。これをコストやメンタル面のリスクなどの軸で整理します。
| 比較軸 |
他人の財布(資産)を覗く行為 |
自分の財布(資産形成)に集中する行為 |
| 時間的コスト |
ニュースやSNSの巡回に時間を浪費する(高い) |
家計簿の整理や投資の勉強に時間を使う(有意義) |
| 精神的リスク |
嫉妬、怒り、不公平感が生じ、メンタルに悪影響 |
自己の成長や資産増加を実感し、精神的に安定する |
| 経済的リターン |
他人の資産を知っても、自身の資産は1円も増えない |
支出削減や投資効率の向上により、実質的な資産が増える |
| 情報の信頼性 |
制度の抜け穴やSNSの虚偽投稿が多く、信頼性が低い |
自身の通帳や口座残高であり、100%正確である |
| 推奨される行動 |
情報を遮断し、関与を最小限にする |
自身の「貯める・増やす・稼ぐ」力を鍛える |
見落としてはいけないリスク
制度の形骸化による誤解リスク
メディアが「議員の平均資産は3,278万円」と報じることで、国民が「政治家は意外と資産を持っていないのだな」と誤解してしまうリスクがあります。実態は、普通預金や株式、家族名義の資産などに莫大な富が隠されている可能性があり、公表された数字を真に受けることは、権力の監視という観点において逆効果になりかねません。
他人の資産を気にすることによるメンタル・行動面のリスク
両学長は、他人の資産状況を覗き見ることには、個人にとって「百害あって一利なし」であると強く警告しています。具体的なリスクとして、以下の3つの段階を踏んで行動が阻害されるプロセスが説明されています。
- 嫉妬心の誘発: 「なぜ自分ではなく、あの人がこんなに稼いでいるのか」という不満が生じます。
- 怒りの発生: 「あんなひどい人間が、なぜこれほどの富を得ているのか」という理不尽さに対する怒りに変わります。
- 稼ぐことの放棄: 「お金持ちはずるい奴らだ」「お金は汚いものだ」という認知の歪みが生じ、最終的に「自分にお金は必要ない」と思考を放棄し、自身の経済的改善を止めてしまいます。
このように、他人の資産に意識を向けることは、自身の資産形成のモチベーションを著しく低下させる重大なリスクをはらんでいます。
この話が当てはまる人・当てはまらない人
当てはまる人(参考になる人)
- SNSの資産自慢や他人の年収を見て落ち込んでしまう人
他人が提示する数字には、国会議員の資産公開と同様に、いくらでも誇張や嘘が混ざり得ることを理解することで、精神的な平穏を取り戻すことができます。
- これから本格的に資産形成を始めたいと考えている人
「人の財布を覗く時間は無駄である」というマインドを初期段階で身につけることで、他人に振り回されず、自身の家計改善にエネルギーを集中させられます。
当てはまらない人(参考にすべきでない人)
- 政治制度の学術的な研究や、厳格な権力監視活動を行っている専門家
国会議員の資産公開制度の不備を追及し、制度改革を求める活動を行っている立場の人にとっては、「数字に意味がないから見なくていい」という割り切りは当てはまりません。ただし、一般の個人投資家や家計管理の実践者にとっては、本動画の指摘通り、自身の資産形成に集中することが最優先となります。
まとめ
衆院議員の平均資産3,278万円という数字は、普通預金や株式の除外、自己申告制といった制度の抜け穴により、実態を表していない形骸化したものです。他人の資産やSNSの収入自慢に惑わされる時間は、自身の資産形成において最大の損失となります。読者が次に取るべき行動は、他人の財布を覗くのをやめ、自身の収支状況(家計簿)の確認、固定費の見直し、そして自身の投資方針(アセットアロケーション)の整理に集中することです。
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