この発表は、ChatGPTに広告を出す企業の事例紹介です。個人のChatGPT利用者の料金や使い方については触れていません。広告を出す企業の担当者にとって、広告の目標をどう選ぶかで結果が変わった例として読めます。
事例の主役は、Flipsnack(フリップスナック)です。静的な文書を、読者が操作できるデジタルの体験に変えるサービスで、商品カタログや営業資料、社内の連絡などに使われています。
Flipsnackは、これまで検索広告に力を入れてきました。ChatGPT広告のテストは、どんな顧客のニーズが製品の登録につながるかを知る機会になったといいます。
そこでFlipsnackは、広告の対象を広げました。最初は幅広い「Flipbook」の広告でしたが、「Magazine」「Catalog」「Brochure」のように文書の種類ごとの広告を作りました。さらに、営業資料の作成(Sales Enablement)、福利厚生(Employee Benefits)、不動産(Real Estate)、ホスピタリティ(Hospitality)の広告も加えました。
登録数は約310%増、登録1件の費用は約75%減
クリックは、広告が押されただけの数です。登録は、製品を試す入り口に進んだ人の数で、次の行動に近い数字です。Flipsnackは、広告の先のページを登録の手続きへ案内していました。製品の見た目を実際に試してから営業に相談する人が多いため、登録の完了を最初の大事な一歩として測ったとされています。
このとき、広告の目標を「クリック数」から「登録(コンバージョン)」に変えました。入札も、固定の金額から、登録数を最大にする方法に変えています(編集部注:登録数を最大にする入札は、登録につながりやすい場面に予算を寄せる仕組みです)。
目標と入札方法を同時に変えたところ、登録1件あたりの費用が下がり、登録数が増えました。
| 比べること | 前(クリック数を目標) | 今回(登録を目標) | 変化 |
|---|---|---|---|
| 広告の目標 | クリック数 | 登録(コンバージョン) | 目標を変更 |
| 入札の方法 | 固定の入札額 | 登録数を最大にする入札 | 入札を変更 |
| 登録数 | 基準 | 約310%増 | 約310%増 |
| 登録1件の費用 | 基準 | 約75%減 | 約75%減 |
| 1日の予算 | 変わらず | 変わらず | 同じまま |
数字の条件は次のとおりです。
- 比較期間は、2026年8月25〜31日と9月2〜8日です。
- 登録の計測は、広告のクリックから30日以内の登録が対象です。表示だけの反応は含みません。
- 1日の予算の上限は変えず、支出は約1.3%増えました。
Flipsnackの広告担当者、Paul Romancsak氏は、登録1件あたりの費用が下がったまま登録が増えたことで、目標を変える自信がついたと話しています。
編集部の見方では、1日の予算の上限を変えず、目標と入札方法を同時に変えた点が、社内で説明しやすい例になります。ただし、対象は米国の5件で、比べたのは1週間ずつの期間です。初期の結果であることも押さえておく必要があります。
日本で出せるかは、まだ発表されていません
ChatGPT自体は、個人向けプランもAPIも日本で使えます(当サイトの確認:11/3)。ただし、今回の事例にあるChatGPT広告を日本の企業が出せるかは、まだ発表されていません。
今回の5件はすべて米国の広告です。米国以外で同じ目標に変えた場合の結果は示されていません。
ChatGPT広告の利用条件は、公式の案内ページで確認できます。







