デザインやプロダクト開発に関わる人にとって、試作の作り方が変わる可能性がある話です。
Figmaの公式ブログに対談が掲載されました。対談したのは、共同創業者でCEOのディラン・フィールド氏と、ポッドキャスト「All-In Podcast」の共同司会者でOhalo Genetics CEOのデイビッド・フリードバーグ氏です。この記事は対談の一部の抜粋です。
フィールド氏は、キャンバス上でコードを扱う「コードレイヤー」が公開ベータに移ったと述べています。コードレイヤーは、デザイン画面の中でコードに基づくプロトタイプ(実際に動く試作品)を作るための機能です。
AIではなく人間が天井を上げる
対談の問いはこうです。AIでアイデアを動く製品にする作業が手軽になったとき、人間の創造性はどこに入るのか。
フリードバーグ氏は指摘しました。エージェント型AIの時代には、かつてプロダクトマネージャー、デザイナー、エンジニアのチームが必要だった仕事が、AIでこなされるようになってきています。
フィールド氏は、コードや動画などの制作全体で、AIによって敷居が下がったと説明しています。誰でも制作に加われるようになったといいます。
以前は、AIが仕事の天井を上げると考えていたが、それは間違いだったと語りました。天井を上げるのは人間です。大胆な挑戦をして、これまで誰もやったことのないことに時間を投じる人がいるとき、天井は上がるという見方です。
ソフトウェアは以前にも増して大量に生まれているため、差別化が必要だとも述べています。コードを書くことはもう誰にでもできます。そのため難しいのはそこではなくなったとし、「デザインが新しいコードだ」と表現しました。デザインと自分の視点を持つことが、作るものの差を生むという考えです。
フリードバーグ氏は、新しいことをすることこそが創造であり、そうでなければ真似にすぎないと問いかけました。フィールド氏はこれに同意しました。独自性があり注目を集める仕事は、市場に評価され、組織の中でも人の注目を集めると話しています。
まず作ってから直す、AIとの往復
フィールド氏は、AIで最初に形を作ってみることは、白紙の画面から抜け出す助けになると話しています。出てきたものに対して「ここは気に入らないので直す」と反応し、やりとりを重ねることが役立つという考えです。
一方で、自分の構想をAIに任せて実装させると、結果はAIの解釈を通したものになります。思いどおりにはなりにくいとも指摘しました。まず作ることは考えるための手段にもなり、手を動かして考えるやり方と素早く行き来できることが大事だとしています。
Figmaがめざしているのは、コードをキャンバス上の素材として扱えるようにすることだと説明しました。
Figma Designの生成ツールと、Figma Weave
対談では、Figma Designに生成ツールとシェーダーがあることが紹介されました。デザインエージェントは、プロンプトで始められます。カスタムツール、実際の文脈、スキルを加えることで、さらに使える範囲が広がると説明されています。
Figma Weaveは、AIのモデルの出力を別の入力につなげられる仕組みです。フィールド氏は、AIで生成すること自体は悪くないと考えています。それを形にするための工程が必要だという考えを示しました。
Figma Weaveは、AIの生成と編集の道具をつなぎ、再利用できる作業の流れにまとめます。チームが工程を形づくり、磨き、繰り返せるようにする狙いです。
フィールド氏はまた、新しいモデルが出た直後は数日間の盛り上がりがあると話しています。ただ、すぐに慣れて新鮮さは薄れるといいます。意図を持ち、手間をかけて取り組めば、より良い結果を出せるという考えです。
フリードバーグ氏は、AIは人間の主体性を奪い、人の可能性を頭打ちにするという批判があると述べました。そのうえで、AIがすべての人の創造力をどう広げるかを尋ねました。
フィールド氏は、AIに考えてもらう道と、AIを使って世界の理解を深める道があると説明しました。後者のほうが面白いと語っています。
「誰もが作り手になれる」とも話しています。意志の力と好奇心があれば、大胆なことができるという見方です。