この発表は、Oracleの業務データベースをGoogle Cloudで使っている企業に関係します。Oracleを使っていない人には、今のところ直接の変化はありません。Oracle AI Databaseは、Oracleのデータベースを Google Cloud 上で使えるサービスです。今回、そこにAIエージェント(自分で手順を進めて作業するAI)が業務データを扱うための機能が加わりました。
Google CloudとOracleは、ラスベガスで開かれたOracle AI Worldで発表しました。発表の内容は、AI基盤とデータ、エージェント型AIの連携を広げることです。Google Cloudの公式ブログによると、発表は米国時間10月28日です。狙いは、会計や受注などの基幹データを、Googleのデータ分析やGeminiにつなぐことです。
AIにパスワードを渡さずOracleにつなぐ 使い方はAPIの有効化から
最初に一般提供になったのは、Oracleのデータ向けのリモートMCP(Model Context Protocol)サーバーです。MCPは、AIが外部のツールやデータにつながるための共通の決まりごとです。サーバーは「ExecuteSQL」というData APIを使い、AIエージェントやGoogle Cloudのサービスから、SQLを安全に実行できます。
データベースのパスワードは、Secret Manager(パスワードなどを保管する仕組み)が自動で読み出します。誰が何を実行できるかは、Google CloudのIAM(権限を管理する仕組み)で決まります。
自然言語をSQLに変換する自前の仲介ソフトは要りません。踏み台のサーバー(VM)も、暗号化されていない平文のパスワードも不要です。
Knowledge Catalog(データの意味や管理ルールを整理する機能)との連携は、プレビュー版です。Oracleの表の構造(スキーマ)とビジネス上の定義を自動で一覧にし、データの出どころを追えるようにします。エージェントが複雑な業務データを正しく読むための材料になります。
Geminiアプリから自然な文で質問できる「Oracle AI Database@Google Cloud向けGeminiコネクタ」も、プレビュー版です。Geminiは裏側でKnowledge Catalogを使い、利用者に許されたOracleのデータだけを検索して答えます。
Gemini Enterpriseでは、Oracle in Gemini Enterpriseの提供が始まりました。会話型の分析、クロスクラウドのデータベース接続、業務ごとのエージェントが含まれます。
JD Edwards、E-Business Suite、NetSuite、Oracle Fusionをまたいで、複数のエージェントが連携する流れを組めます。事前に作られた運用・開発者向けのスキルは135を超えます。
Oracleのアプリ側にも、Geminiのモデルが組み込まれます。Oracle Fusion AI Agent Studio、Fusion Claw、Oracle Fusion Applications、NetSuiteが対象です。導入を支えるパートナーには、TCSやInfosys、IBMなど10社が名を連ねています。
使い始めるには、Google Cloud Marketplaceから入手します。既存のGoogle Cloudコミットメント(利用の約束)と統合された請求を使え、Oracle Support Rewardsも使えます。
リモートMCPを使うには、Oracle Database@Google Cloud APIを有効にします。権限として、roles/oracledatabase.admin(作成)かroles/oracledatabase.viewer(参照)が必要です(Google Cloudの公式ドキュメント、11/7確認)。認証はAPIキーではなく、OAuth 2.0で行います。






