AIの学習や推論では、データを読み書きする速さが処理の時間を大きく左右します。Z4Mは、こうした用途に合わせて作られたストレージ最適化型のマシンシリーズで、仮想マシン(VM)とベアメタルの2つの形で使えます。データ待ちでGPUやTPUが止まると、高価な計算資源が遊んでしまいます。
Google Cloudの公式ブログによると、一般提供は11月6日(米国時間)に始まりました。世界の一部の地域で使えます。
想定される用途は、AIの学習データやチェックポイント(学習の途中経過の保存)です。そのほか、複数のサーバーで同じファイルを扱う並列ファイルシステムも想定されています。
最大168,000GiBのローカルSSDと400Gbpsの通信
Z4Mは、マシンに直接つなぐSSD(ローカルSSD)を最大168,000GiBまで積めます。1つのvCPU(処理を担う単位)あたり875GiBで、データを置く場所を大量に確保できます。
CPUは第5世代のIntel Xeon Scalableです。最大構成は次のとおりです。
- 192 vCPU
- メモリは最大1,536GiB
ストレージの処理は専用のTitanium SSDが受け持ち、CPUの負担を減らす設計です。
性能は次のとおりです。
- ランダム読み出しは最大1,560万IOPS(1秒あたりの読み出し回数)
- 連続読み出しは最大75,600MiB/s(1秒あたりに読み出せるデータ量)
前世代のZ3と比べると、IOPSが最大70%、スループットが最大110%向上しています。Z3の上限は次のとおりでした(Google Cloudの公式ドキュメント、11/7確認)。
- VM: 36,000GiB
- ベアメタル: 72,000GiB
通信は400GbpsのRDMA(CPUを通さずに、別のサーバーのメモリとデータをやり取りする方式)です。TCPと比べると、データへのアクセス遅延を最大60%減らせるとしています。
GPUやTPUが待たされないよう、NVIDIA GPUDirect StorageとTPUDirect Storageにも対応します。LSSDと通信の速さの比は1.4対1です。データを処理しながら、通信の上限いっぱいで送れるとしています。
導入企業の評価も出ています。Silkは同社の検証で、RDMAはTCPと比べて遅延が最大3.7倍低く、CPU使用量は最大6倍低かったと説明しました。WEKAは自社の検証で、Z3世代と比べて読み出しのスループットがほぼ2倍、IOPSが最大79%増と述べています。






